全国郷土紙連合

全国11新聞社加盟kyodoshi.com

北海道から沖縄県石垣島まで、南北に長い日本列島。今日もどこかでホットなニュースが生まれる。

荘内日報社

藤沢周平さんしのぶ「寒梅忌」 故郷への思いなど語る

30年来の付き合いがあったという元編集者の阿部さんが記念講演するなどした寒梅忌

 鶴岡市出身の作家・藤沢周平さん(1927―97年)の人柄や作品をしのぶ「寒梅忌」が28日、鶴岡市中央公民館で開かれ、元文藝春秋編集者の阿部達児さんが「乳のごとき故郷」と題し記念講演。「ここまで古里についてエッセーを書いた作家は珍しい」などと話した。

 この日は北海道や四国など県内外から藤沢ファン約350人が参加。阿部さんは藤沢さんの10歳下で編集者として長く藤沢さんを担当。古里に関するエッセーを集めた「乳のごとき故郷」の編集に携わった阿部さんは、「書評家が驚くほど故郷のエッセーを書いた」と表現。さらに作家デビュー以前の業界紙記者時代にも藤沢さんがコラムで時々農村といったテーマで鶴岡に触れていたことを紹介し、「なぜ古里にそこまでこだわったのか。結核での療養や妻の死といった不遇な時期が長かったことが影響しているのでは」と話した。

 また、明治から大正にかけて活躍した画家、鏑木清方を評した「他と競うのではない。見る者を圧倒するのでもない。しかし、心ゆくまでひたっていたい世界である」という言葉を紹介し、「まさに藤沢さんの作品そのもの」と語り、元編集者として薦めたい3冊として、藤沢さん本人がこの作品で直木賞を受賞したいと思っていたという「又蔵の火」、虫の目の視点で描いた「義民が駆ける」、骨の折れる面白さがあるという「白き瓶」を挙げた。

 寒梅忌は藤沢作品に梅がよく登場することや、風雪に耐えて咲く姿が藤沢さんの人柄や作風にもつながるとして、鶴岡藤沢周平文学愛好会(萬年慶一代表)が2000年から毎年、藤沢さんの命日(1月26日)直近の日曜日に開催している。今年は藤沢さんの生誕90年を数え、寒梅忌は19回目。記念講演に先立ち、藤沢さんの遺影に献花などを行い、同愛好会顧問の松田静子さんの案内で海坂藩の原風景を映像と朗読で紹介した。

関連記事

豊橋技科大の半導体研究所「アイリス」新工場とオープンラボ開所

 豊橋技術科学大学は12日、次世代半導体・センサー科学研究所「IRES²(アイリス)」の新工場とオープンラボの開所式を開いた。半導体人材の育成や産学官金連携の拠点とする。  研究所は技科大敷地内...

11月9日開催を決定 第4回17ENDハーフマラソン 来月1日から申込受付 実行..

 第4回宮古島市17ENDハーフマラソンin伊良部島の11月9日開催が決定した。同実行委員会の総会が11日、市役所で開かれ、大会要項や予算案を原案通り承認。参加定員はA~Cの3コースで前回大会から各1...

「与那国町の食育」審査員特別賞受賞 農水省主催 ボランティア団体が報告会

 【那覇】与那国町食育ボランティア(15人)が農林水産省主催の「第9回食育活動表彰」で審査員特別賞を受賞し10日午前、県庁で報告会を開いた。同団体は15歳で島を出る中学生3年生を対象に「15の春 食育教...

藤井名人が将棋名人戦の祝勝会 蒲郡を満喫

 将棋の「第83期名人戦七番勝負」を制した藤井聡太名人の祝勝会が9日、蒲郡市の「蒲郡クラシックホテル」で開かれた。藤井名人は祝勝会前と10日午前中に市内の観光名所を巡り、蒲郡を満喫した。  藤井...

加盟新聞社

カテゴリー一覧

アーカイブ一覧

アクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス

関連リンク