復興願い響く第九 清水町民170人合唱 農民管弦楽団定演

復興を願い、歓喜の歌を高らかに響かせた町民合唱団と北海道農民管弦楽団
北海道農民管弦楽団(牧野時夫代表)の定期演奏会が28日、清水町文化センターで開かれた。一昨年の台風10号災害の惨禍を乗り越えて前に進む熱い思いを込めて、町民合唱団170人がオーケストラの演奏をバックに「歓喜の歌」を大ホールに響かせた。
定期演奏会は24回目で、実行委員会主催。十勝で最も被害が大きかった町から、台風災害の復興を応援しようと、初めて清水町で開催した。
町は“市民第九発祥の地”として知られる一方で、長く続いた5年に1度の第九演奏会は2015年で中止されている。今回再結成した町民合唱団には、幼児から高校生60人も参加し、清水出身の延与幸恵さん(ソプラノ)らプロの声楽家が共演した。
会場の大ホールは800人余りの聴衆で満席に。ロッシーニの歌劇「泥棒かささぎ」序曲で開幕し、ベートーベン作曲の「交響曲第九番」を第1楽章から奏でた。第4楽章のフィナーレでは合唱が入り、復興への願いを込めながら荘厳な「歓喜の歌」を響かせ、客席から万雷の拍手が湧き起こった。
町民合唱団は昨年7月末から、数十回の練習を重ねてこの日に臨んだ。自営業の坂上裕治さん(70)は初参加で、「緊張したけど会場の一体感が気持ちよかった」と話した。孫4人の舞台を客席から見守った近藤惠子さん(65)は「絶やすことなく演奏を続けた人たちには、感謝の気持ちでいっぱい。孫の体にも染み込んだ第九合唱団。今後も歌ってほしい」とたたえた。
実行委員長の三澤吏佐子さん(57)は「子どもたちを舞台に上げることが一番の夢だった。人と人、地域と地域、時代と時代がつながってこその文化。次の世代にバトンを渡すことができたかな」と思いをかみしめていた。
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