ドローン配送本格運用 伊那市が買い物支援サービス開始
伊那市長谷の道の駅駐車場から離陸するドローン
伊那市は5日、小型無人機ドローンを活用した買い物支援サービス「ゆうあいマーケット」を同市長谷で始めた。ドローンを使って遠隔地に商品を配送し、物流の効率化を図るとともに、日常の買い物に不便を感じている買い物弱者の利便性向上につなげる狙い。商品は地元ケーブルテレビ(CATV)の伊那ケーブルテレビジョン(同市)の画面からリモコンを使って注文できるようにし、高齢者でも手軽に利用できる。
先端技術を活用して地域の課題解決を図る取り組みの一環。高齢化が進む中山間地域では移動困難者の増加が課題となっていることから、ドローンを使った物流システムの構築を目指し、通信大手のKDDIや地図情報大手のゼンリンと連携して実証実験を進め、本格運用の運びとなった。ドローンによる公共物流事業は全国初という。
注文を受けると、地元のスーパー・ニシザワ高遠食彩館から集落支援員が道の駅「南アルプスむら長谷」駐車場まで軽自動車で商品を輸送。ドローンに積み替え、各集落の拠点まで配送する。最後はボランティアが利用者宅へ届ける。月~金曜日の平日に実施し、午前11時までに注文すれば、その日の夕方に受け取ることができる。
今年度は長谷の非持、溝口、黒河内、中尾の約430世帯が対象。来年度には長谷の非持山、市野瀬、杉島、浦、富県の新山の約430世帯にも広げる。商品は当面、食料品や日用品など100品目、最終的には約300品目まで増やす予定。利用料は月額1000円。利用料や買い物の代金はCATVの口座から引き落とされる。
この日はドローンのオープニング飛行が行われ、KDDIが物流に特化して開発したという大型ドローンを使い、 道の駅駐車場から中尾公民館まで荷物を運んだ。飛行距離は約7キロ。操縦者はおらず、あらかじめプログラムされた飛行ルートに従い、同公民館駐車場のドローンポートに自動的に着陸した。
サービスを利用した近くの大出達雄さん(93)は「便利だと思う。これからも利用したい」と話した。白鳥孝市長は「ピンポイントで着陸し、技術の高さを感じた。利用者を増やし、効率を上げていきたい」と力を込めた。
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