手話で伝える今この時
豊橋「さくらピア」で緊急文化教室
「新しい生活様式」で事実上、着用が義務になったマスクをしたままでも、上手にコミュニケーションがとれるようにと、豊橋市東新町の市障害者福祉会館「さくらピア」で29日夜、文化教室「緊急企画 マスクの会話を工夫しよう!」が開かれた。関心のある一般市民や福祉職、手話経験者ら40~60代の参加者15人が、マスク越しの会話をスムーズなものにするための勉強をした。 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、マスク生活が始まって約4カ月。着けたままでの会話は、表情や口の動きが分かりにくく、手話などに加えて唇の動きを読み取って会話する聴覚障害者や小さな声の聞き取りにくい高齢者に影響が出ている。健聴者でも会話の最中に何度も聞き返したりすることが少なくない。 今回は、さくらピア事務長で手話通訳士・防災士でもある本田栄子さんが講師となり、手話や身振りを使って、マスクを着けたまま会話をするコツを指導した。 教室は、大きな鏡に対面してスタート。はじめに、言語である「手話」、野球などチーム内の合図である「サイン」、相手に伝えるために体全体の動きを工夫する「ジェスチャー」について理解を深めた。それを踏まえ、マスクのままで手話や身振り、サインなどを混ぜて会話する術に挑戦した。 本田さんが1人ずつに身振りで食べ物や動物などを表現し、参加者が当てた答えを再び本田さんに身振りで伝えるという訓練をした後、「コロナ」「おはよう」「お金」「感染(陽性)」「マスク」「ステイホーム」「ソーシャルディスタンス」「テレビ」「竜巻」「避難」「逃げる」「一緒」「無事」「熱を測る」など、今、日常会話で知っておきたい50の単語を皆で実際に体を動かしながら勉強した。 動きのほかに、マスクをしていると表情が分かりにくいことから「口角をきゅっと上げると笑った目になりマスク越しでも笑顔が分かる」などのアドバイスもあった。 参加者からは「体を使っての表現は大変」「コロナ関連で必要な単語が覚えられてよかった」「防災が時代と共に変化することが分かった」などの感想が出た。本田さんは「聞こえない人にも、伝える気持ちをあきらめず工夫して話してほしい。身振りを使ってコミュニケーションをはかってもらえたら」と語った。 さくらピアは、同じ内容の講座を、10月18日午前10時からと同30日午後1時半からも予定している。
関連記事
星稜(石川)相手に大健闘 選抜高校野球で田辺高校
兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で18日に開かれた第96回選抜高校野球大会の1回戦で、21世紀枠で出場した田辺(和歌山)が星稜(石川)に2―4で敗れた。田辺は2度同点に追い付くなど粘り強く戦い、最後...
映像交え半生振り返る 阿部さん講演 リレハンメル冬季五輪 金メダリスト 白老
1994年リレハンメル冬季五輪のノルディックスキー複合団体で金メダルに輝いた阿部雅司さん(58)が16日、白老町中央公民館で講演し、町民ら約80人が耳を傾けた。阿部さんは選手時代の映像などを交えて...
致道博物館企画展「庄内藩と飛島」 江戸時代の歴史に焦点当て紹介
県内唯一の有人離島・飛島の江戸時代の歴史に焦点を当てた企画展「庄内藩と飛島」が、鶴岡市の致道博物館で開かれている。北前船の寄港地としての機能、島内で起きた境界争い、生活文化などを古文書や民俗資料...
初日から100人超行列 帯広・エスタ店開店 インデアン
藤森商会(帯広市、藤森康容社長)が展開するカレーショップ「インデアン」エスタ帯広店が19日午前9時50分、JR帯広駅に隣接するエスタ帯広西館にオープンした。開店を待ち望んでいた多くの客でにぎ...