全国郷土紙連合

全国12新聞社加盟kyodoshi.com

北海道から沖縄県石垣島まで、南北に長い日本列島。今日もどこかでホットなニュースが生まれる。

胸張り進む「負けてからが人生の始まり」 幕別・江陵高野球部

 来年3月に閉校する江陵高校(幕別町)野球部の最後の大会が終わった。夏季北海道高校野球大会北北海道大会の十勝支部大会Dブロック代表決定戦が26日、帯広の森野球場で行われ白樺学園(芽室町)に0-9で敗れた。1964年の創部から半世紀余り。2016年夏に古谷優人投手(現ソフトバンクホークス)を擁し、北北海道大会ベスト4に進んだ実力校の選手たちは、最後までひたむきに白球を追い続けた。自分たちが最後の代になるのを承知の上で入学した3年生20人は、谷本献悟監督(39)の教えを胸に次のステージに胸を張って進む。

Dブロック代表決定戦で、白樺学園に敗れた江陵ナイン。試合のあいさつを終え、ベンチに引き揚げる選手たち

 試合後、球場の外でユニホームを泥だらけにした選手たちは、笑顔で谷本監督を何度も胴上げした。尾崎太郎主将は、「野球を通して人としてどうあるべきか、一人の人間としてどう生きるかを教わった。今後どれだけ徹底してできるかが勝負になる」と話した。

 野球には社会の縮図があるという「球道即人道」。13年春に監督に就任した谷本監督の指導の根本だ。私生活や学校生活の乱れはプレーに表れる。選手は礼儀や気配りなど厳しくたたき込まれた。

 初戦の清水高戦で先発出場した坂上柊平選手の父で、江陵高校野球部保護者会「陵球会」の坂上智大会長(46)=清水町在住=は、わが子の姿に驚いた。昨冬、アルバイト先の人に車で送ってもらった息子は、自宅玄関前に立ったまましばらく家に入ってこなかった。車をじっと見詰め、約50メートル先の角を曲がる時に再度おじぎをした。「ずいぶん礼儀正しくなったんだなと思った」と振り返った。

 先日、プロ野球で1軍デビューを果たした古谷優人投手は「江陵は自分の大きな財産。甲子園に行くよりももっと大きなことを学べたと思う」と話す。

 学校はなくなれど教えは生き続ける。「諦めないで一生懸命にやりきる姿は成長の証し」と目を細めた谷本監督。「負けた時からが人生のスタート。敗れた悔しさをどう生かしていくか卒業まで厳しく指導していきますよ。勘違いしないよう、美談で終わらせないように」と笑った。

感謝を込め、江陵ナインが谷本監督を胴上げ

「大きく成長」 若宮校長
 江陵高野球部として最後の試合を迎え、スタンドでは控え部員と保護者がナインの勇姿を見守り、試合終了後には大きな拍手でねぎらった。

 保護者と一緒にスタンドから見守った若宮栄校長は「20人の選手は閉校を知っていて全国から集まってくれた。後輩がいないため、競争やチーム力でハンディを負うかと思っていたが、チームワークも良く、谷本監督の指導で人間形成にもなった」とし、「試合には負けたが、すがすがしい終わり方。選手たちが大きく成長して終われたことにほっとしている」と感慨深げに話した。

関連記事

紀伊民報社

熊野本宮大社で合気道演武 植芝道場長の講習も

 和歌山県田辺市本宮町の世界遺産・熊野本宮大社の旧社地「大斎原(おおゆのはら)」で20、21日、「合気道国際奉納演武」があった。  同市出身で合気道の開祖・植芝盛平のひ孫に当たる合気道本部道場...

長野日報社

原村でじっくりボードゲームを 1日1組限定のリゾート

ボードゲームに没頭するリゾート施設「GAW(ガウ)」が、5月1日に原村原山にオープンする。都内の音楽制作会社が手掛ける新事業。アナログゲームマスターのあだちちひろさんが依頼者の思いに沿った最...

帯広信用金庫の防犯講座人気 詐欺事例、寸劇交え

 十勝管内でも特殊詐欺事件が相次ぐ中、帯広信用金庫(高橋常夫理事長)は、被害防止のための出前講座を続けている。具体的手口を寸劇を交えるなどして分かりやすく紹介、社会貢献事業として無料で行ってお...

荘内日報社

外国人観光客とおもてなし交流 酒田港 泉小児童 日本の遊び紹介

 外航クルーズ船「ウエステルダム」(オランダ船籍、8万2862総トン)の酒田港寄港に合わせ22日、酒田市の泉小学校の4年生42人が同港古湊埠頭(ふとう)に降り立った外国人観光客らに日本の遊びを紹介するなど交...

加盟新聞社

カテゴリー一覧

アーカイブ一覧

アクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス

関連リンク