個体識別用の銀色のリングが左足に装着されているカンムリワシ。その後、放鳥された＝22日午前、石垣市石垣の農地（提供写真）

　石垣市字石垣の県道２１１号線で交通事故に遭い昨年12月６日に保護されたカンムリワシが22日、約２３０日に及ぶ治療とリハビリを終え、自然に返された。左足に番号「７」が刻印された銀色のリングを装着しており、環境省石垣自然保護官事務所では「保護活動の貴重なデータとなるので足環を付けたカンムリワシを見つけたときはカンムリワシリサーチまで連絡してほしい」と情報提供を呼び掛けている。

　放鳥されたカンムリワシは、同県道にかかる南原風橋付近の路上で動けなくなっているところを保護され、たまよせ動物病院に収容された。検査の結果、大量の出血や右半身にまひがあることから交通事故に遭ったものと診断。治療の結果、野生復帰が可能と判断され、事故現場付近の農地で放鳥された。カンムリワシの発見者に「勇翼」（ゆうすけ）と名付けられた。

　同事務所では「自動車を運転する場合は法定速度を順守して、カンムリワシなど野生動物との交通事故を起こさないよう注意してほしい」と呼び掛けるとともに「万一、事故を起こしてしまっても故意でない限りは罪に罪に問われることはない」として迅速な通報を訴える