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「書き続けて恩返しを」直木賞の吉報、馳星周さんに 故郷浦河は歓喜に沸く

受賞決定をOKサインで知らせる馳さん=15日午後4時ごろ、浦河町

 浦河町出身で長野県軽井沢町在住の小説家、馳星周さん(55)は15日、滞在中の浦河町で「少年と犬」の直木賞受賞の知らせを受けた。同町の知人らも吉報に喜びを爆発させ、涙と笑顔で馳さんの受賞を祝った。

 馳さんは同町で生まれ育ち、小学5年生の時に日高町富川へ移った。苫小牧東高校を経て横浜市立大学を卒業後、1996年に「不夜城」でデビュー。ベストセラー作家として活躍しているが、暑さに弱い愛犬のため、昨年から冷涼な浦河町で夏季を過ごしており、今年も7月1日から滞在している。

 日ごろお世話になっている同町の人たちと一緒に連絡を待ちたいと、馳さん自らが申し出て、ゆかりのある人ら10人と共に同町内の居酒屋で待機。午後4時ごろに携帯電話が鳴り、馳さんが指で受賞決定を知らせるOKサインを出すと、固唾をのんで見守っていた知人らから「やったー!」「おめでとう」の歓声と大きな拍手が沸き起こった。

 池田拓町長(68)は特産品の昆布で作った「コンブーケ」を手渡し、「新型コロナで閉塞感が漂う中、勇気と元気をもらった。わが町の誇りです」と祝福。小学校時代の同級生で同町職員の駒澤勲さん(56)は「子どもの頃から本好きだったという印象。劇的な瞬間に立ち会わせてもらい、本当にうれしい」と顔をほころばせた。

 馳さんの祖母や両親と親交があった同町在住の荻野節子さん(79)は「特におばあさんは孫の活躍を楽しみにしていた。この場にいたら、どんなに喜んだだろうか」と話し、涙を拭った。馳さんが現在執筆中の同町を舞台にした小説に関わっている、同町の装蹄師、大東正史さん(43)は「これで浦河町が活気づけば」と語った。

 関係者から直木賞を競馬のGIレース勝利に例える声も上がる中、馳さんは「大変ありがたいけど、直木賞をもらおうがもらうまいが、やることは変わらない。20年間小説家をやってきたことに対する『ご苦労さん』という意味もあると思うので、書ける限り書き続けて恩返ししたい」と笑顔で話した。

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