新潟・庄内DCきっかけに 観光戦略を協議

新潟・庄内DCをきっかけにした観光戦略について協議した鶴岡市観光連盟事業企画委員会の会合
鶴岡市観光連盟(早坂剛会長)の事業企画委員会(委員長・阿部公和亀や社長)が22日、鶴岡市の荘内神社参集殿で開かれた。静岡県・熱海温泉の活性化プロジェクトに携わり成果を挙げているJTB中部・地域交流推進課長の木村ともえさんを進行役に、2019年10―12月に本番を迎える新潟・庄内デスティネーションキャンペーン(DC)とその先を見通した観光振興への取り組み方策などを話し合った。
同連盟は、今年のプレDC、来年の本番、20年のポストDCと続くJRグループの大型観光誘客事業を契機に、大手旅行代理店JTBの協力を得て観光マーケティングの手法を取り入れた観光振興戦略の構築を進めている。
昨年10月に同委員会で議論をスタートし、これまでに鶴岡市内の観光地と宿泊施設などで観光客の実態調査を実施したほか、地元の関係者から提案素材として「庄内・鶴岡のいいもの」をテーマに▽暮らす▽食す▽装う▽巡る―の4項目についてアンケートを実施するなどしてきた。
この日は第5回委員会で、市内の各温泉地や地域の観光協会の委員のほか、鶴岡商工会議所観光部会の役員らも加わり、約20人が出席。実態調査やアンケートを基に、地域観光の顔づくりとなるブランディングについて意見交換した。
木村さんは「首都圏を戦略商圏の一つに位置付けることになったが、日帰り観光に比べて宿泊者の満足度が低いという調査結果が出ている。宿泊施設の問題ではなく、観光地の間に距離があり、足回りの利便性が影響しているようだ」など問題提起し、共通課題として▽トップコンテンツの出羽三山を中心とした庄内のリブランディング▽点と点を結ぶ周遊(どこへ行けばいいか)▽鶴岡の食と食文化を観光客に商品として提供―を提示した。
誘客に向けた切り口とする「食」については、「観光地と食、食文化をどう結び付けるか」「どこで鶴岡の食を楽しむことができるか具体的な情報の発信が必要」「隣県からマイカーで来る観光客が多い。昼食と土産品でお金を使ってもらう工夫が必要」「鶴岡の食と食文化を案内できる人材が、各拠点に必要」などの発言があり、意見交換した。
一方、DCに向けた周遊観光の誘客素材として、庄内地域の広域観光をテーマにして各観光地の特徴を絵柄にする「手ぬぐいスタンプ」の取り組みが提案され、次回以降の委員会で内容を詰めていくことにした。
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