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荘内日報社

映画の灯再び消える 「鶴岡まちなかキネマ」閉館へ

 鶴岡から映画館の灯が再び消える―。鶴岡市内唯一の映画館「鶴岡まちなかキネマ」(山王町)が、22日で閉館することになった。運営会社の「まちづくり鶴岡」(木戸祐社長)が19日に発表した。地元を中心にした幅広い映画ファンに支えられてきたが、当初の事業計画に沿った来館者数を達成できない状況が続き、さらに新型コロナウイルス感染拡大による臨時休業も痛手となり経営環境が急激に変化する中、営業継続は難しいと判断。開館からちょうど10年の節目の日に幕を下ろす。運営会社は私的整理手続きを進める方向で検討している。

ちょうど10年目の22日で閉館する「鶴岡まちなかキネマ」。鶴岡市で8年ぶりに復活した映画館の灯が再び消えることになった

 木戸社長によると、当初事業計画に沿い年間13万人の来館を目指したが、6―7万人台にとどまった。約7億円の借入金があり、施設修繕や設備更新も必要となる中、4月19日から県の要請で臨時休館。これに伴う減収も踏まえ、再開しないままの閉館を決めた。事業の引受先などを探したが不調に終わったという。建物の今後の利活用は未定。

 閉館後もテナントのパン店は営業を続ける。すでに購入した鑑賞券などは25―6月14日に同館で払い戻す。従業員12人のうち9人は今月末で解雇となる。まちキネの閉館で庄内地方の映画館は、イオンシネマ三川(三川町)だけとなる。

 木戸社長は「庄内だけでなく最上地方や新潟県北、秋田県南からも鑑賞に訪れてもらい、多くのファンから支えられてきた。営業を再開し開館10年の感謝の気持ちをお伝えできると信じていたが、再開を断念するという苦渋の決断をいたしました」と話した。

 まちキネ開設は、鶴岡市の中心市街地活性化基本計画に盛り込まれた事業計画の一つで、中心市街地活性化の先進事例としても注目された。市などの実行委員会がユネスコ食文化創造都市に関連した映画祭も開いてきた。皆川治市長は「中心市街地のにぎわいづくりとともに、地域コミュニティーの活性化に寄与する地域密着型の映画館として多くの市民に愛されてきた。閉館は残念。地元商店街や株主などの意見を聞きながら、中心市街地の活性化に取り組みたい」とコメントした。同社の関係者は「建物の活用を今後考えたい」と話した。

 一方、荘内銀行を傘下に持つフィデアホールディングスは19日、まちづくり鶴岡に対する4億1900万円の債券が取り立て不能になる恐れがあると発表した。

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