病院に防護服届けよう 徒が手作り
簡易の防護服を作る神島高校の生徒(田辺市文里2丁目で)
新型コロナウイルスの感染拡大で医師や看護師らが着る防護服が不足する中、神島高校(和歌山県田辺市文里2丁目)の地域活性化プロジェクト「神島屋」が、ポリ袋を使って簡易の防護服を作り、紀南病院(同市新庄町)に寄付する取り組みを始めた。他の生徒にも活動への参加を呼び掛けたいという。
地域の病院でも医療用ガウンが不足していることを知り、神島屋担当の那須正樹教諭らが身近な物を使った簡易防護服作りを提案した。4月に教員が140着作製し、病院に寄付した。神島屋の生徒も「社会に役立てるなら」と作製に加わった。
簡易防護服の材料はポリ袋のみで45リットル用がLサイズ、30リットル用がMサイズ。はさみと粘着テープを使い、ポリ袋2・5枚で1着が作れる。材料は神島屋のイベント収益で購入した。家庭科の伊達佳代教諭が製作工程を簡略化した上、病院側の声も取り入れた実用的なデザインを考案した。
3年生の金谷成時君は「病院の助けになれたらうれしいと思い参加した。使い捨てなのでたくさんいる。登校日も始まったので、クラスメートにも呼び掛け、協力の輪を広げていきたい。自宅でも簡単に作れるので、家族で作ってもいいと思う」と話した。
那須教諭は「社会に貢献したいと考えている生徒は多い。主体的に行動することで、次のステップにもつながる」と期待している。
紀南病院では寄付を受けた簡易防護服を内視鏡、放射線科と耳鼻咽喉科で使用している。病院は「耳鼻科と内視鏡は特に診察や処置中にしぶきを浴びやすい部門。重宝している」と感謝している。
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