開幕待つ和歌山FB 選手が農家の手伝い

岩見健生さん(右)に教わりながらネット張りの作業に励む杉本大樹選手=田辺市下三栖で
新型コロナウイルスの影響で開幕の見通しが立っていない野球の関西独立リーグに所属する和歌山ファイティングバーズ(FB)の選手が、田辺・西牟婁で農作業を手伝っている。高齢化や人手不足に悩む農家にとっては若い選手の力が助けになっている。
関西独立リーグは和歌山FBのほか、大阪府に2チーム、兵庫県に1チームある。4月4日に予定していた今季の開幕は延期。野球場も使用できず、選手は自宅などで自主トレーニングに励んでいる。
和歌山FBの選手はほとんどが県外出身。感染拡大を防ぐため、球団から帰省や長距離の移動が禁止されている。選手に球団からの給料はなく、試合や練習の傍らアルバイトで生活費や道具代などを賄っているが、予定していたアルバイト先の飲食店などが休業。選手の生活が苦しくなる中、球団や支援者が地元農家に協力を呼び掛け、多くの選手が収穫時期を迎えた梅などの農作業を手伝い始めた。
和歌山FBの杉本大樹(23)、渡邊開登(21)、岩本侑城(22)の3選手は、田辺市下三栖の梅農家、岩見健生さん(48)方で7日から働いている。現在は梅畑のネット張りに取り組み、近く小梅や南高梅の果実を収穫する。
「収穫や選果の時にコンテナ1杯(約20キロ)につき1日6回ほど上げ下げするので、200杯分収穫すれば1日千回以上になる。人手がいるので助かる」と岩見さん。杉本選手は「この期間は自分に足りないところを補える時間だとプラスに捉えている。生活は厳しいが、周りの人が良くしてくれて助かっている」と話す。
田辺市上秋津の森山薫博さん(66)方では、昨年からキャプテンの西河洋樹選手(26)が働いている。西河選手は年間を通じて森山さん方で梅とミカンの作業を手伝い、今は夜間の飲食店の仕事がなくなったので別の農家のイチゴ園でも働いているという。
森山さんは4年前から和歌山FBの選手を1人ずつ受け入れ、西河選手で3人目。地元で試合のある時は応援に行っているといい「手伝ってくれてすごく助かっているし、自分もやる気が出る」と笑顔。西河選手は「体を動かすのが好きなので楽しい。農作業をしていると顔なじみの人が声を掛けてくれる。今はしっかり働くことで地元の人の助けになり、ファン獲得につなげたい」と意気込みを語った。
和歌山FBの田所洋二代表(61)は「選手が農作業をさせてもらえるのはこの地域ならでは。この取り組みをもっと広め、地元の皆さんに応援していただけるようなチームにしたい」と話している。
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