ジュンサイの収穫スタート

三種町でジュンサイの収穫がスタートした
三種町で、生産量日本一を誇る特産・ジュンサイの収穫が始まった。はしりで量は少ないが、春本番の沼で小舟を操り新芽を摘み取る姿が見られ、シーズンの到来を告げている。一方、新型コロナウイルスの影響で市場の単価が落ち込んでおり、生産者からは「ピーク時にどうなるのか心配」「産地を応援してほしい」との声が聞かれている。
ジュンサイはスイレン科の水草で、つるりとした食感が涼感を誘う夏の味覚として親しまれている。三種町産は全国でも人気が高く、高級料亭やレストランなどで使用されている。町によると、ピークの平成3年には推計で560戸が232㌶で栽培したが、摘み手の高齢化などで栽培規模が縮小、昨年は数量助成の実績で164人・64㌶となった。
森岳の安藤農園は4カ所1㌶でジュンサイを栽培。代表の安藤晃一さん(60)によると、20日ごろから収穫を始めた。今年は暖冬で推移したが、今月に入って寒い日が続き、平年並みの時期となったという。
好天に恵まれた28日は安藤さんやパートの作業員などが小舟を巧みに操り、まだ小さい若芽を一つまた一つと摘み取った。昨年は少雨・高温の影響で多くの沼が減収したが、安藤さんは「豊富な地下水を使っており、昨年も水を切らさず平年並みの収量だった。今年はぬめりも付きも良く、収量はありそう」と手応えを話した。
一方、今年は新型コロナが市場の単価に影響を及ぼしている。
JA秋田やまもとによると、4月16日に初荷受けを行って以降、東京・豊洲市場に5回出荷したが、単価は例年の半分ほどで推移。担当者は「いつもは最初にご祝儀相場が付くが、今年は最初から大型連休明けのピーク時の単価となっている。コロナで飲食店が休んだり客が少なかったりして引き合いが弱まり、『今年のジュンサイはまだか』という問い合わせもない。収穫本番を迎えた時にどうなるか」と懸念する。
ただ、県内の市場の引き合いは悪くないとし、「休業要請期間以降の動きに期待している。市場動向を見極めて販売し、農家の手取りを確保していきたい」と話した。
安藤農園はJAとじゅんさいの館に出荷しており、「単価が安くて泣いている。摘み手もなかなか稼げない状況」と落胆。やはりピーク時の影響を心配しながら、「行政にも県民にも日本一の産地を支援、応援してもらいたい」と思いを語った。
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