宇部興産がアビガンの材料再生産へ

アビガンの材料を製造する宇部ケミカル工場内の医薬品工場外観(提供)
宇部興産(泉原雅人社長)は、新型コロナウイルス感染症の治療薬として期待される「アビガン」の材料を、7月から宇部ケミカル工場で再生産することを決めた。 アビガンは、富士フイルム富山化学(岡田淳二社長、本社東京都中央区)が開発した新型インフルエンザの治療薬。コロナの治療効果も期待され、日本政府は200万人分の確保を目指して早期の治験・承認手続き、国内生産体制の構築を進めている。 グローバルに医薬品の製造を展開する宇部興産では、アビガンの主要成分となる化合物を2009~10年に製造していた実績がある。富士フイルム富山化学からの要請を受け、既存の生産ラインを活用して7月からの再生産を目指す。 宇部興産では「罹患(りかん)された方々への早期のアビガン提供に貢献できるよう、緊急製造開始に向け準備を進めている。創業の精神である『共存同栄』の観点に立って要請に応え、社会に対する企業使命を果たしたい」としている。 また、同社グループでは5月のゴールデンウイーク明けからの2カ月間、定期検査工事に入る。対象はアビガン材料の生産再開を目指す宇部ケミカル工場をはじめ、宇部セメント工場、宇部藤曲工場、発電所を主とする工場群。県内外からの工事業者が、1日に平均約1800人従事する。 コロナ感染拡大への警戒感が増す中、「県や市の指導に従いながら感染防止に最大限努め、地域の皆さまへの影響も十分配慮する」と同社。具体的には検温、体調確認、マスク着用、市内飲食店での食事の自粛などを行い、万一従業員や工事業者に感染者が発生した場合は速やかに公表する。
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