産直店に100円まな板

作業場で、乾かした板をまな板に仕上げる久保勤さん(田辺市龍神村で)
和歌山県田辺市龍神村福井の国道425号沿い、100円均一の無人産直店「ぎおん」で、野菜などと並んでヒノキ製のまな板が販売されている。龍神村で木工製品作りをしている久保勤さん(76)=龍神村宮代=の作で、久保さんは「地元木材のPRになれば」と話している。
久保さんは、産直店の近くに住む店の管理者、吉本みよ子さんの親戚。米農家だが、30年以上前から趣味の一つとして木工製品作りを始め、まな板の他にも、いすや花台などを製作してきた。作った物は龍神村内にある道の駅などで販売している。
産直店に置いているまな板は、道の駅に納品している商品の規格外品。2011年2月の産直店オープン当初から出品しており、看板商品の一つとして定着している。
久保さんによると、産直店では平均して週に5、6枚売れているといい、売り切れると補充している。
規格外でも手間暇
産直店のまな板は、少し節目があったり、サイズがふぞろいだったりするものの、正規品と比べてもほとんど遜色がない。おおよそのサイズは長さ35センチ、幅25センチ、厚さ3センチ。
地元の森林組合から丸太を仕入れ、製材所に持ち込んで板にする。久保さん方で板の間に隙間を空けて積み上げて保管し、8カ月ほど乾燥させる。そうすることで、まな板として使用する中での割れがなくなるという。
自宅近くには工房があり、久保さんが農作業の暇を見て製品を加工している。表面を平らにするなど、100円のものも正規品と同じように丁寧に仕上げている。
まな板を販売するようになったきっかけは、吉本さんが関わる産直店を盛り上げることだったという。手作りした商品を喜んでくれる声を受けて、龍神村の木材のPRになればと考えるようになった。
久保さんは「地元の人にも、龍神村を訪れた観光客にも、地元の木材を使った製品として身近に置いてもらえればと思っている。手作りのため採算は合わないが、地域貢献の一つにつながればうれしい」と話している。
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