昨年６月に閉店した豊頃町内唯一のスーパーマーケット「旧スーパーアグリ茂岩店」跡に、町からの出店要請を受けた道内コンビニエンスストア大手の「セコマ」（札幌）が出店計画を進めていることが分かった。ＪＡ豊頃町（山口良一組合長）から同店舗と土地の無償譲渡を受けている町は、受け入れの条件が整い次第、出店時期などについて同社と具体的な協議に入る。

昨年６月に閉店した旧スーパーアグリ茂岩店

　１２日の定例町議会の書面での一般質問で宮口孝町長が明らかにした。具体的な会社名の言及は避けたが、町からの出店要請を受けた同社から２月上旬に基本提案があったとし、「店舗内に関する町の計画を決定し、家賃等の具体的な数字を挙げた上で協議する」とした。一方、課題として労働力の確保を挙げ、「町として積極的に協力する。（議員からも）働く意思のある町民らの情報を提供してほしい」と呼び掛けた。

　スーパーアグリ茂岩店は昨年６月２９日に、開店以来２３年間の歴史に幕を下ろした。町は「町民の生活を守る」ために店舗の早期再開を模索。一時は町内に事業を承継する後継者が現れたが、不調に終わった。

　町は店舗内の一角にコミュニティバスの待合所などを設置する考えで、働き手の確保などを含め、めどがついた段階でセコマと具体的な協議に入る。セコマ広報部は「直営での出店を含め、いろいろな可能性を検討しながら豊頃町と話を進めている」としている。