
参観日で保護者を前に卒業式で合唱する予定の「決して泣かない」を披露する児童たち
新型コロナウイルスの感染拡大防止で県内各地でも学校の卒業式の開催内容が流動的な中、長野県飯島町の飯島小学校6年生は28日、卒業式に合唱する予定の「決して泣かない」をこの日の授業参観に合わせて急きょ保護者に披露した。6年間の集大成である式で歌えないかもしれないという戸惑いも抱えながら、息の合った歌声を響かせた。マスクを着用しての合唱だったが、思いのこもった歌で保護者を喜ばせた。
安倍晋三首相が全国の小学校、中学校、高校、特別支援学校を臨時休校とするよう要請したことを受けて同日、飯島町教育委員会は町内の小中学校計3校を6日から休校にして春休みにすると決めた。
ただ、17日に飯島中、18日に飯島小、七久保小で行う予定の卒業式については現段階ではどのようにするか未定。澤井淳教育長は「何とか式だけは開きたい。どんな形であれば可能なのか探りたい」と実施に前向きな姿勢を示すが、状況などを見ながら最終的な判断をしていく考えだ。
このような情勢の中、飯島小6年生は今年度最後となった参観日で6年間の成果を振り返る学習報告会を開催。冒頭の学年全体の合唱では当初、「決して泣かない」はプログラムになかったが、卒業式の実施が不明瞭なことを受けて保護者に感謝の気持ちと共に贈りたいと直前になって付け加えた。
熱心に耳を傾けていた父親(49)は「小学校の卒業式は子どもたちにとって一生に一度の行事。せめて親くらいは同席して開けるようにしてやりたい」と語った。6年の男児の一人は「学校の体育館で本当はみんなに祝ってもらいたい」と思いを話した。
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