スタインウェイ修復作業始まる

修復作業に当たる加藤さん(記念会館で)
宇部市の記念会館に展示されている壊れたスタインウェイピアノをよみがえらせるプロジェクト「伝説のピアノ復活計画」の本格的な修復作業が26日、同会館ロビーでスタートした。オーストリア・ウィーン在住のピアノ修復家、加藤嘉尚さんが10日間滞在して、劣化した部品の交換から内部のクリーニング、破損部分の補修まで、全面的な修復作業が行われる。
世界最高峰ピアノメーカー、スタインウェイ&サンズ社製で、1923(大正12)年に宇部興産の創業者、渡辺祐策らにより新川小に寄贈されたグランドピアノ。大空襲の火の手を奇跡的に逃れ、戦後のまちの文化復興を支えてきたが、壊れたまま忘れ去られていた。
2012年、ピアノ復活を目指すSAKI-DORIプロジェクト(真部尚志代表)が発足。21年の市制100周年を目標にプロジェクトを進めてきた。 初日の作業では鍵盤や弦、ハンマーなどの部品をすべて取り外して解体し、内部を丁寧に清掃。10日間で、湿気でさびた弦を新品に取り換え、消耗し劣化したハンマーフェルトなどもドイツで新調したものに交換する。失われていたペダル部分の支柱は、加藤さんが自作した。音律を決める内部構造のゆがみやずれも細かくチェックし、オリジナルのスタインウェイに近い状態に調整する。 真部代表は「90年以上の宇部の文化、歴史、人々の思いが詰まったピアノ。企画が始動して約8年、ようやく作業に取り掛かれて感慨深い。再び音を奏で、貴重な財産を次世代につなげるよう一歩ずつ進んでいきたい」と話した。
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