全国郷土紙連合

全国12新聞社加盟kyodoshi.com

北海道から沖縄県石垣島まで、南北に長い日本列島。今日もどこかでホットなニュースが生まれる。

島唄を方言継承の力に 奄美市で危機的言語サミット

サミットで言語・方言を紹介する各地区の語り手=22日、奄美市名瀬

 2019年度危機的な状況にある言語・方言サミット(文化庁、鹿児島県、奄美市など共催)が22日、鹿児島県奄美市で開幕した。島内外から約600人が来場。講演やパネルディスカッション、日本各地の方言の聞き比べなどを通して言語・方言の価値や継承について考えた。各言語の民謡やコントなどの実演もあり、来場者は文化の多様性を支える言語の役割を体感した。サミットは23日まで。

 同サミットは国連教育科学文化機関(ユネスコ)が消滅の危機にあるとした国内8言語の状況改善につなげる目的で開催。関係者らが各地の現状や保存継承の取り組みなどを報告、議論する。

 2014年度から年1回ペースであり、奄美群島では16年度の与論大会以来、2回目。東日本大震災被災地の方言を知らせる目的で青森県八戸市からも参加した。

 大笠利わらぶぇ島唄クラブ(奄美市笠利町笠利)が「朝花節」でオープニングを飾った。今大会の山下茂一実行委員長の開会宣言に続き、主催者を代表して県文化スポーツ局の有木正悟局長と朝山毅奄美市長が「文化の発露である言語は継承していかなければならない」などとあいさつした。

 鹿児島純心女子短期大学の小川学夫名誉教授が「シマ唄とシマグチ(方言)」を演題に基調講演。「シマグチはシマ唄があったから残っている言葉が多い」と語った。

 小川氏は、シマ唄の一種で、同じ場にいる人たちが即興で歌い合う「掛け唄」を紹介。「名作を作ろうとしないので自然な言葉で歌う」「これまでつくられたシマ唄のパターンを学べる」など掛け唄の特徴を示し「シマグチを今後も残すため、掛け唄を復活させるべきだ」と提案した。

 聞き比べでは11地区の言語・方言が披露された。地区内訳は八戸市、東京都八丈島、喜界島、徳之島、沖永良部島、与論島、沖縄県那覇市、宮古島、竹富島、与那国島、北海道沙流郡。

 奄美島唄、沖縄民謡、北極海に面する地域に主に暮らす先住民族サーミの伝統音楽「ヨイク」の歌い手らが「ウタを通して伝わることば」をテーマに協議。「ヨイクはサーミのアイデンティティー形成に大切な手段」「方言でしか出せない響きがある」「島唄を入り口にし、方言も一緒に勉強して次世代につないでいきたい」などの意見があった。

 アイヌの踊り唄や八丈島の民謡「ショメ節」、ヨイク、沖縄民謡などの実演もあった。唄者の中村瑞希さんと前山真吾さんが、奄美大島北部などで歌われるカサン唄と南部などのヒギャ唄をそれぞれ披露した。

 23日は、奄美文化センターで午後1時半に開会し、危機的な状況にある言語・方言の現況報告や奄美大島各地の方言の聞き比べなどがある。

 ユネスコは09年、世界で2500に上る言語が消滅の危機にあると発表した。危機状況は3段階に分類。国内の8言語と危機状況は次の通り。▽極めて深刻 アイヌ語▽重大な危機 八重山語、与那国語▽危険 奄美語(奄美大島・喜界島・徳之島)、国頭語(沖永良部島・与論島・沖縄本島北部)、八丈語、沖縄語、宮古語

関連記事

紀伊民報社

星稜(石川)相手に大健闘 選抜高校野球で田辺高校

 兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で18日に開かれた第96回選抜高校野球大会の1回戦で、21世紀枠で出場した田辺(和歌山)が星稜(石川)に2―4で敗れた。田辺は2度同点に追い付くなど粘り強く戦い、最後...

映像交え半生振り返る 阿部さん講演 リレハンメル冬季五輪 金メダリスト  白老

1994年リレハンメル冬季五輪のノルディックスキー複合団体で金メダルに輝いた阿部雅司さん(58)が16日、白老町中央公民館で講演し、町民ら約80人が耳を傾けた。阿部さんは選手時代の映像などを交えて...

荘内日報社

致道博物館企画展「庄内藩と飛島」 江戸時代の歴史に焦点当て紹介

 県内唯一の有人離島・飛島の江戸時代の歴史に焦点を当てた企画展「庄内藩と飛島」が、鶴岡市の致道博物館で開かれている。北前船の寄港地としての機能、島内で起きた境界争い、生活文化などを古文書や民俗資料...

初日から100人超行列 帯広・エスタ店開店 インデアン

 藤森商会(帯広市、藤森康容社長)が展開するカレーショップ「インデアン」エスタ帯広店が19日午前9時50分、JR帯広駅に隣接するエスタ帯広西館にオープンした。開店を待ち望んでいた多くの客でにぎ...

加盟新聞社

カテゴリー一覧

アーカイブ一覧

アクセスランキング

  • 週間アクセス
  • 月間アクセス

関連リンク