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紀伊民報社

梅の新品種「星秀(せいしゅう)」

新しく開発された品種「星秀」。「黒星病」に強く、自家受粉できるのが特徴(県うめ研究所提供)

 和歌山県果樹試験場うめ研究所(みなべ町東本庄)は、梅の新品種「星秀(せいしゅう)」を開発した。品質が良い主力品種「南高」の特徴を受け継ぎながら、主要な病気の一つ「黒星病」に強く、自家受粉できる品種。開花時期が「南高」と重なるため、受粉樹としても期待される。

 「南高」は、特に梅干しにすれば皮が薄くてやわらかく、大きいことで人気が高く、高値で売買されるが、病気に弱い上、他の品種の梅の花粉がなければ実をつけないのが欠点。とりわけ「黒星病」や「かいよう病」はいまのところ、薬剤を散布せずに防ぐのが困難な病気のため、研究所は新品種の開発を続けている。
 研究所によると、「星秀」は2009年に品種登録された「NK14」と同じ「南高」(雌)と「剣先」(雄)との交雑種。「NK14」と比べると、「黒星病」に強い上、開花時期が「南高」と同じで、果実の大きさが「南高」より少し小さいが「NK14」より少し大きいことで優れているという。
 南高と「地蔵梅」の交雑種で昨年11月に品種登録された「星高(せいこう)」は、「黒星病」だけでなく、「かいよう病」にも強い品種だが、「星秀」は実の大きさのほか、「南高」と同じという開花時期の面で「星高」より優れているという。
 研究所の沼口孝司研究員(35)は「星秀は南高よりも実が少し小さいが種は小さく、品質も負けないくらい良い。病気への抵抗性があり、自家受粉の面で扱いやすい」と強調。「まずは南高の受粉樹として利用し、評価してもらえればと思う」と呼び掛ける。星高についても「いろいろな病気に強いので、減農薬や有機栽培で利用してもらえるよう広めていければと思う」と話す。今秋には種苗生産業者による苗木の販売が始まる見込み。
 一方で課題もある。農家らは、農薬の量や回数を減らせるなど栽培面でのメリットを期待するが、販売面では不安を口にする。新品種は、青梅として販売する場合、「雑梅」の扱いとなるためで、田辺市中三栖の農家は「南高はブランドとして認知されているが、雑梅となると売り方が課題になる。評価してもらえるよう努力が必要だ」と話す。

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