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紀伊民報社

クマノザクラを植樹 普及目指し成長観察

観賞木としての利用が期待されているクマノザクラ(2019年3月17日、古座川町峯で)

 和歌山県田辺市と森林研究・整備機構森林総合研究所多摩森林科学園(東京都八王子市)、県林業試験場(上富田町生馬)は3、4の両日、共同研究として、田辺市たきない町の新庄総合公園と同市本宮町三越の熊野古道沿いに、クマノザクラの苗木計約80本を植えた。クマノザクラは開花した姿が美しいことから観賞木としての利用が期待されており、植えた苗木の成長過程を観察しながら普及につなげたいという。

 クマノザクラは、森林総合研究所と県林業試験場が、紀伊半島南部に新種の野生のサクラが分布していることを確認。国内の野生のサクラとして約100年ぶりの新種だとし、2018年に発表した。
 今回の植樹は、クマノザクラを発見して命名した多摩森林科学園の勝木俊雄・サクラ保全担当チーム長(52)から、苗木を植えて成長経過を観察する場所を提供してほしいという提案が県や市にあったことがきっかけ。市民の憩いの場である新庄総合公園と、紀伊半島大水害(2011年)の際に土砂崩れが起きて治山工事が行われた古道沿いの民有地に苗木を植えることになったという。
 苗木は高さ50センチほどの2年生で、同市の龍神村や中辺路町で自生しているクマノザクラの種から、勝木チーム長が育てた。
 新庄総合公園では3日、各駐車場の周辺に、関係者で48本の苗木を植樹。本宮町内の植樹場所は、三越峠から発心門王子方面へ熊野古道を1キロほど行った所で、獣害を防ぐために張ったネットの内側に、関係者13人が4日、計30本の苗木を植えた。参加した本宮行政局の安井健太局長(60)は「この場所が、熊野古道を歩く人たちの癒やしの場所や紀伊半島大水害からの復興のシンボルとなってくれたらうれしい」と話した。

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