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「感謝の碑」縁で田辺へ 八丈町の町議有志と交流

 明治期にあった紀州の漁師の海難事故に関わり、県民有志が「感謝の碑」を建立した縁で、八丈町(東京都)の議員6人が21、22日、田辺市内を訪れ、海難事故をテーマにした小学校での道徳学習を視察したり、亡くなった漁師の慰霊碑に参ったりして交流した。

 道徳学習は、田辺市上の山2丁目の田辺第三小学校の5年生42人が22日に取り組んだ。同市中屋敷町の小池泰さん(62)が海難事故を題材にした自作の紙芝居「なさけの島をわすれるな!」を上演したのを鑑賞。心に残ったことを話し合い、今後どのように行動するかについて意見を発表した。  児童たちは「八丈の人たちには困った時はお互いさまという思いやりの心があった」「田辺の人たちには感謝の気持ちが生まれた」などと感想を述べ、その結果「それぞれに絆やプラスのつながりが生まれた」と導き出した。  西崎志道君(11)は「思いやりや感謝の気持ちを持つことの大事さを学んだ。これからは心掛けたい」と話した。  授業を視察した八丈町議会の奥山幸子議長(70)は「小池さんの語りも絵も胸に突き刺さり、感動した。子どもたちの意見も素晴らしかった。八丈町に戻れば、町の子どもたちにも伝えたい」と述べた。

小池泰さんの紙芝居を見る児童たち(22日、田辺市上の山2丁目で)

漁師の慰霊碑に献花

 21日には、漁師の慰霊碑が立つ田辺市古尾の龍泉寺や西方寺、浄恩寺を訪れ、犠牲者を追悼した。
 市文化財審議会審議委員で、遭難事故を冊子にまとめた吹揚克之さん(78)が案内した。龍泉寺には38人、西方寺には4人、浄恩寺には5人の犠牲者の墓があることを紹介し「これほど多くの若い人たちが亡くなるというのは、地域にとって大変な出来事だった」と話した。
 慰霊碑の前に立った町議らは、順に献花し、亡くなった漁師たちの冥福を祈った。
 海難事故は明治25(1892)年にあった。漁師749人が乗り込んだ六十数隻のサンマ漁船が那智勝浦町沖で遭難。229人が死亡したり、行方不明になったりしたが、520人が助かった。そのうち、八丈島に210人が流れ着き、島民に助けられた。助けてくれたことに感謝の気持ちを表そうと、県民有志が2018年10月、八丈町に「感謝の碑」を建立した。
 奥山議長は「こうした歴史があったということを八丈町の住民に語り継ぎ、これからも田辺市の方々との交流をもっと深めていきたい」と話した。

漁師の慰霊碑に献花する八丈町の町議(21日、田辺市古尾で)

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