ホッキ貝漁獲量19年連続日本一 9年ぶり800トン台に回復-苫小牧
苫小牧市のホッキ貝漁獲量が19年連続で日本一を達成した。市がまとめた2018年の主要市町村別データに基づく統計。年間漁獲量は816トン(前年比65トン増)で4年連続の増加。9年ぶりに800トンの大台に回復し、2位の根室管内別海町(485トン)に300トン以上の大差を付けている。苫小牧漁業協同組合(伊藤信孝組合長)が継続的に取り組む資源管理型漁業の成果によるもので、地元関係者も全国トップの座を維持できたことを喜んでいる。
道がまとめた18年水産統計を基に、ホッキ貝主要産地の青森、福島両県の統計も加え、道内市町村別の漁獲量を順位付けした独自調査で、20日に市が発表した。この他の漁獲量上位を見ると、青森県三沢市(419トン)、根室市(401トン)、釧路管内浜中町(309トン)となっている。
苫小牧の年間漁獲量は09年まで800トン超の実績を上げていたが、10年から5年連続で前年割れとなり、14年には651トンまで落ち込んだ。ただ、この間も漁獲量日本一の座は維持し、15年以降は順調に回復傾向をたどっている。
金額ベースで見た18年の実績は、前年比3781万円減の3億9365万7000円で、2位の別海町(約2億600万円)と比べてほぼ倍の規模となっている。
日本一を継続できる理由は、苫小牧漁協の徹底した資源管理にある。道内の海面調整規則によると、ホッキ貝は殻長7・5センチ以上から漁獲できるが、同漁協は9センチ以上の独自基準を設定。漁期も夏(7~11月)と冬(12~4月)に分け、漁獲も上限量を設定して操業している。
また、5、6月の産卵期を禁漁とし、同期間中にホッキ貝の移植放流や老齢貝の間引きを行うなど、漁業者が畑を耕すように漁場を育て、ホッキ貝を管理していることも大きな特徴だ。
19年も夏漁で上限396トンを漁獲。昨年12月から冬漁が始まり、順調に操業している。伊藤組合長は「資源管理を進めてきた成果」と喜びつつ「日本一はあくまでも結果。今後も資源管理を徹底したい」と意欲を示す。18年は全道的に漁獲量が増え、単価が伸び悩んだが「苫小牧がリードしている」と力を込める。地域ブランドでもある「苫小牧産ほっき貝」を前面に全国のホッキ漁をけん引する考えだ。
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