土俵の稲わら提供 栽培した児童が両国国技館へ
育てた白毛餅の稲わらを手に、大相撲観戦への期待を膨らませる新山小の5年生
伊那市新山小学校の5年生4人は、育ててきた古代米「白毛餅」の稲わらを、東京・両国国技館で行われている大相撲初場所の土俵作りに提供した。17日には国技館を訪れて初場所を観戦する。実際に土俵で使われている様子を見て、これまでの活動成果を感じる機会にしようと計画。児童たちは「どのように使われているのか、自分たちの目で確かめたい」と期待に胸を膨らませている。
総合学習の一環として、児童は昨年4月から学校近くの田んぼで、伊那谷に伝わるもち米「白毛餅」を栽培。児童の米作りを支えてきた上伊那農民組合(南箕輪村)の紹介で、大相撲の土俵に使う俵を作る「南信州米俵保存会」(飯島町)の呼び掛けに応じ、わらをすべて提供した。
収穫した稲わらは200キロほど。保存会代表の酒井裕司さん(44)によると、白毛餅はコシヒカリより草丈が40センチほど長く、太くて丈夫なため土俵作りに適しているという。保存会がわらを編み、土を入れて使う俵の材料「こも」にして届けた。
大相撲の土俵は本場所ごとに作り替え、地方場所を含め年6回製作する。同校のわらは初場所で使用され、土俵場にある円の外側に設けた正方形の枠「角俵」の一部と、土俵に上がる段として東西南北に配置された「踏み俵」に使われている。
16日は同校で大相撲観戦の打ち合わせがあり、子どもたちが日程や予算を確かめた。日帰り旅行の費用には、10月に恒例行事「新山まつり」で販売した白毛餅の売上金を充てた。
男子児童は「わくわくする。調べているうちに相撲に興味が湧いた」。女子児童は「土俵のどの部分に使われているのかしっかりと見て、家族に教えたい」と笑顔を見せた。
酒井さんは「自分たちの育てたわらが国技を支えるという体験を通して、誇りや相撲への興味を持ってもらえたら」としている。保存会では今後、希望のあった小学校からわらを預かり、修学旅行の日程に合わせて土俵作りに生かしていくという。
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