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鈴木知事が会見「私自身、苦渋の判断」 IR誘致見送り理由を説明

IR誘致見送り理由を詳細に語った鈴木知事=12日午後、道庁

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致見送りを表明している鈴木直道知事は12日の定例会見で、判断理由を詳細に説明した。優先候補地・苫小牧市植苗地区に希少動植物が生息する可能性が高く「自然環境への配慮が不透明な状況で整備計画を策定し、国に申請しなければならない」など見送り理由として大きく3点を指摘。「今回は私自身、苦渋の判断」と強調し、「来たるべき時を見据えて、誘致への挑戦ができるように準備を進めていきたい」と再挑戦への意欲を改めて示した。

 知事はIRについて「民設民営のプロジェクトで国内外から多くの観光客を呼び込み、交流人口の拡大や民間投資の拡大など幅広い効果が見込まれる」と強調。人口減少が進行する本道経済において「先細りが懸念される中、北海道のピンチをチャンスに変える大きな原動力になる」との認識を示した。

 そんな中で誘致を見送った理由について(1)認定申請期限の2021年7月までに環境影響評価(アセスメント)が間に合わない(2)仮に全国3カ所の中に認定されても、アセスの結果次第で施設が着工できない可能性がある(3)着工できない場合、認定申請までの費用について道民に負担を強いることになる―と3点を挙げた。

 今後については「現候補地(苫小牧市植苗地区)を基本に、誘致の可能性を幅広く検討していく」と再挑戦の姿勢を示し、「北海道にふさわしいIRのコンセプトづくり、IRの理解促進に向けた取り組みなどを順次行っていく」と述べた。経済部観光局主導で進めてきた組織体制の見直しに関しては「今後、検討していきたい。新たな課題に立ち向かっていくためにも、少なくとも体制を減じることはない」と語った。

 誘致見送りに動揺が広がる苫小牧市については「市長を先頭に市職員、地元経済界が一体となって誘致に向けて幅広い取り組みを進めてきた」との認識を示し、「今回の判断の経緯について担当の副知事が市長に説明しているが、やはり私自身が直接、お話しをさせていただきたい」と説明。岩倉博文市長との会談時期は「できるだけ早くやらせていただきたい」と述べた。

見送り理由の概要

 鈴木直道知事が12日の記者会見で述べたIR誘致の見送り理由は次の通り。

 理由は大きく3点ある。1点目は、候補地である苫小牧市植苗地区は緑に包まれた自然豊かな場所であり、北海道らしい自然共生型のIRが実現できる可能性を秘めている。一方で、保護すべき希少な動植物の生息が確認されている。こうした場所で大規模開発を行うには、環境影響評価(アセスメント)を行う必要がある。特に候補地には希少な猛禽(もうきん)類の生息が確認されており、春、夏の繁殖期を2シーズンかけて調査をする必要がある。そのため、環境アセスの手続きには3年程度の期間を要するわけです。こうした中、11月19日に国から区域認定の申請期間が示され、申請までの準備期間は最長でも1年7カ月となった。したがって自然環境への配慮が不透明な状況で整備計画を策定し、国に申請をしなければならないことになる。

 2点目は、国への申請時点で環境アセスが完了していないことは、IR整備法では許容されている。だが、仮に全国3カ所の中に認定されたとしても、その後の環境アセスの状況や結果次第では、施設の着工ができなくなるというリスクがある。

 3点目は、着工できない場合、認定申請までに費やした数億円の経費を含め、道民に大きな負担を強いることになる。

 こうした重大なリスクを抱えたままで、誘致に挑戦するということは、多くの皆さまの理解を得ることができない。これが今回の誘致見送りに至った最大の理由です。

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