だれもが楽しめる絵本

見える子も見えない子も共に絵本を楽しんで-とバリアフリー絵本の製作などを行う、豊橋市のボランティア団体「バリアフリー絵本の会“ぐるんぱ”」(大林久美代表)の設立20周年記念「絵本展」が同市総合福祉センター「あいトピア」で開催中。12月1日まで。 会は20年前、当時小学2年だった視覚障がいの男児を持つ大林代表と、彼女の点字教室仲間らで結成。当時は“触って楽しむ本”が珍しく、「絵本が読みたい」「多くの本に出あわせたい」との母子の思いに共感した会員が手探りで製作を始めた。現在は月2回、市内の前田南住宅集会所で女性7人が活動。製作した絵本は同市障害者福祉会館「さくらピア」に設けた「ぐるんぱ文庫」に収め、来館者が自由に閲覧できるようにしている。 バリアフリー絵本はだれもが楽しめるよう工夫された、触って読む絵本。弱視でも読めるよう大きな字を書いたり、透明シートで点字を添えたり、指先で絵が感じられるよう質の異なる紙やフェルト、花の種、おはじき、毛糸、粘土など多様な素材で絵を再現している。 展示は10年ぶり。会場には新旧のバリアフリー絵本16冊をはじめ、会員が指導した小中高生が課外学習などで作った点訳絵本や触れる絵本、ことわざかるた、活動を紹介する写真など各種資料を並べた。絵本は「ぐりとぐら」「しろくまちゃんのホットケーキ」「スイミー」など、長く子どもたちに親しまれている作品が中心で、イラストのイメージに合う素材を探して絵を立体化させており、来場者は興味深そうに絵に触れながら絵本をめくっていた。

「多くの人に活動を知ってもらいたい。まだ“さわる絵本”を知らない人がいるので普及を続けていけたら」と大林代表。「小さなお子さんに楽しく読んでもらい、身近な福祉を感じてほしい」と話す。30日午後1時半から会場で作品の読み聞かせを予定。大林代表の長男で、同志社大に通う全盲の大林叡貴さん(23)がグループ名の由来になった「ぐるんぱのようちえん」を読み聞かせる。
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