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与那国の海の魅力深める 高解像度の海底地形図作製 九州大学共同チーム

世界で初めての浅い海域の高解像度海底地形図の完成報告を聞く人たち=23日夜、DiDi与那国交流館

菅浩伸教授の解説を聞きながら与那国島の海底の地形を観察する参加者ら=24日午後、与那国近海のジャックスドルフィン号内

 【与那国】海底景観資源調査事業報告会(町教育委員会主催)が23日、DiDi与那国交流館であり、九州大学の菅浩伸教授らが最先端の技術を使った測量により完成した与那国島全周海域の高解像度海底地形図を報告。参加者らと意見交換した。同町教育委員会の村松稔さんは「与那国の海底は魅力がたくさんあるが、さらに見せ方を深めていき、これからどんなことができるのか考えていこう」と呼び掛けた。

 調査は、自然科学や人文科学などさまざまな研究の基礎となる詳細な地形図を作ろうと2017年度から3年間、県の一括交付金を活用し、与那国町と九州大学の研究チームが共同で行った。  これまで水深100㍍より浅い海はほとんど研究がなされてこなかったが、人の生活に密接に関わる浅い海の高精度海底地形は今後、水中考古学や伝統的海域利用、防災、環境保全などの学際研究の基礎となる可能性を秘めている。

 従来のシングルビーム測探調査では地形の断面図しか分からなかったが、今回の研究では最新のマルチビーム測探調査を実施。海底の精密な3次元測量が実現した。

 また、世界で初めて小型船による測探を行い、水深1・68㍍の浅い海から381・8㍍までの地形図作製に成功した。

 菅教授は「地形図ができただけでは論文は書けないが、この地形図があることによって高い位置のスタートラインから始めることができる」と今後、各分野での活用に期待を寄せる。

 調査に協力したダイビングショップのサーウェス与那国の真謝正太郎氏は、研究成果について「ダイビングの新たなポイントの発掘や、今では行くことのできない古いダイビングポイントへ行けるようになる」と地形図の完成を喜んだ。

 報告会の翌24日は、報告会参加者らが水中観光船に乗り込み、菅教授の説明を聞きながら与那国海底遺跡やハンマーヘッドロック、水中立神岩など与那国島の海中を回った。

 報告会と海底観察会に参加した山田和幸さん=比川=は「先生はこの地形は与那国島にしかないと言っていた。今回、初めて水中の景色を目の当たりにしたが感動した。良い活用法を考えてほしい」と話した。

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