教育の一環で農産物の安全性に対する国際認証「GAP」の取得に取り組んでいる士幌高校(近江勉校長、生徒147人)は23日、来年の東京オリンピック・パラリンピックへの食材提供を目指す新商品の試食会を、帯広市内の満寿屋商店(杉山雅則社長)の麦音で開いた。生徒は開発した商品を来店客に振る舞い、商品化に向け意見を聞き取った。

新商品を来店客に配る士幌高校の生徒
試食したのはベトナム風サンドイッチの「バインミー」。同校で収穫したニンジンなどの野菜を酢漬けにし、満寿屋商店で特別に作ったパンに挟んだ。
この商品は、内閣官房東京オリンピック・パラリンピック推進本部事務局が主催する「GAP食材を使ったおもてなしコンテスト」に応募している。パラリンピックのベトナム選手のホストタウン・釧路市などと連携して開発を進めてきた。8月ごろからメニューを考案し始め、今月12日に関係者を対象にした試食会で寄せられた意見を参考に、味の改良を重ねて完成させた。
この日は販売に向け一般消費者を対象に試食会を行い、生徒7人が参加した。「バインミー」のほか「ベトナムコーヒー」や「前田農産ポップコーン」を来店者に配り、味や価格帯などを問うアンケートも行った。
試食した音更町の団体職員一条世奈さん(19)は「野菜がたっぷり入ってカロリーを気にせず食べられる。また食べたい」、士幌高校1年の女子生徒(16)は「ペッパーソースとスイートチリソースがおいしいという感想をもらえてうれしい。自信になった」と話した。
<GAP>
農業生産工程管理を厳格な規定に基づいて行う国際認証。士幌高校は3年前から取得を進め、これまでに農産物4品が認証されている。音更のとかち河田ファームと連携し、同ファームが生産する農作物の認証取得も共同で取り組んでいる。
関連記事
中札内産ワイン今年も 「通をうならせる出来」 レストラン野島さんち
中札内村の「ファームレストラン野島さんち」(新生東1線、野島利美代表)で育てたブドウを使ったワイン「Art de Champ 2022」が今年も完成した。野島さん(74)は「収穫はボランティアに...
「薬膳ホットワイン」手軽に スパイスキットを販売 いけだワイン城
一般社団法人いけだワイン城(池田町)は、スパイスキット「薬膳ホットワイン」を完成させ、池田町内のワイン城1階ショップで販売している。薬膳料理などで使われるトウキの葉などスパイス6種が入っており、...
上士幌の豆腐 人気じわり 移住7年目、中村さん手作り
上士幌町内の豆腐店「まめけん」(東2線236)を経営する中村哲郎さん(65)が丹精込めて作った豆腐が、主婦層を中心に広く人気を集めている。中村さんは「これからも日々の食卓に出来たての豆腐を届けて...
「宝剣岳エール」仕込み 長野県駒ケ根市、宮田村産大麦のビール造り
長野県駒ケ根市や宮田村、酒造会社などが連携して進める地元産大麦を原料にしたビール・ウイスキー造りプロジェクトの一環として、地ビール「宝剣岳Ale(エール)」の仕込み作業が30日、同村の南信州ビ...