災害時の停電回避 被災地に電気自動車駆け付け給電
日産、三菱の両電気自動車が災害時、鶴岡市に1週間をめどに無償貸与されることになり、22日、鶴岡市役所で協力締結式が行われた。
山形日産自動車販売・佐藤詩郎専務、山形三菱自動車販売・小野勉社長と皆川治市長が協定書に調印した。
6月18日の山形県沖地震では温海地域をはじめ6000世帯が停電、翌朝復旧したが、夜を真っ暗の中で過ごさなければならなかった。「協力締結は非常に助かる。今秋の台風19号でも全国各地で多数の人が停電で困った。備えを充実させることが必要。給電装置が使えるのはうれしい」と皆川市長は感謝した。
災害に役立つ電気自動車(電動車両)は日産リーフ30台と三菱アウトランダー11台。日頃県内の各販売店で試乗車として使われているものが、いざというとき、被災地に駆け付ける。
最近の電気自動車は電気で走るだけでなく、電気がチャージされた後、一般機器に供給できる装置がきっちり出来上がっている。
「災害時に大きく活用できるはず」と日産・佐藤専務がアピールしたリーフは小回りが効き、狭い山間部の道をスイスイ進むことができ、1台で一般家庭4日分の電力が賄える。一方パワーがあるSUV車のアウトランダーはすでに6年前から、給電システムが備わり、1台で同10日分。「テレビCMで機能をPRしているが、なかなか浸透していない」と昨年就任した62歳の小野社長。三菱自動車工業でメカに携わってきただけに「給電できる車であることをあらためてPRしたい」と語った。同形式のアウトランダーは県内で700台走っているそうで、個人的意見として「購入者もエコ意識の高い方が多い。自然災害があったとき、給電のボランティアが車所有者によって結成されるような将来を、電気自動車の可能性としても見いだしたい」と語っていた。
山形三菱自動車販売は同日午後、庄内町でも同様の協力締結式に臨んだ。同社としてはこれで県内16自治体と協力を結んだことになった。

アウトランダーの性能を給電されたヒーターの前で皆川市長(右)に説明する小野社長=鶴岡市役所前駐車場で
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