“復活”入野谷在来種そば 一般販売始まる
伊那市で初の一般販売が始まった入野谷在来種そば。強い香りと濃い味が特徴だ
長野県伊那市高遠町の一部と長谷地区でかつて食べられていた入野谷在来種そばの初の一般販売が22日、市内のそば店6店舗で始まった。絶滅したと思われていたが、県の試験場で種を発見し、官学民の「復活夢プロジェクト」を始動。原々種を育成して種と栽培面積を増やし、足かけ6年で販売にこぎ着けた。高遠閣での記念セレモニーに出席した関係者は、入野谷在来種の強い香りと濃い味をPR。「究極の高遠そばを堪能して」と呼び掛けた。
「うまいそば」として地域に知れ渡っていたが、小粒のため収量が少なく、多収品種の普及に伴って途絶えていったとされる。県野菜花き試験場(塩尻市)で20グラムの種が見つかり、一部の増殖播種を依頼。6粒が発芽して復活への扉が開き、2016年から長谷浦で播種を始めた。
今季から長谷の柏木で出荷販売用の栽培に着手し、約400キロを収穫。うち300キロを6店に出荷し、おおむね350食ずつ、計2100食の数量限定で売り出す。
伊那市の「信州そば発祥の地伊那そば振興会」の飯島進会長は、「早く食べたいという声も出ていた。昔、殿様が食べていたかもしれない究極の高遠そば。ブランドとして定着させるとともに、栽培面積と担い手を増やして農業・地域振興につなげたい」。セレモニーで白鳥孝市長は「いろんな人たちの力を結集して復活に至った。信州そば発祥の地・伊那にとっても大きなステップ」と語った。
信州大学農学部の井上直人特任教授(作物学)の成分分析調査で、優れた味と香りが科学的にも証明された入野谷在来種そば。打ちたてを味わった人は「よくかむと味の違いが分かる。おいしい」などと感想を話した。
壱刻、ますや、華留運、杣蕎麦、こやぶ、梅庵の6店舗で販売。1日の販売数や価格は店舗で異なる。
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