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荘内日報社

英輸入業者や料理人が視察 稲作へのこだわりや農家経営紹介

 鶴岡市渡前の井上農場(井上馨代表)に17日、同農場と取引のある英国の日本食輸入業者や日本食材を扱う現地のレストランシェフらが、米作りの視察に訪れた。つや姫の試食やほ場見学を通して、無化学肥料・減農薬の稲作、独自ルートでの直販といったこだわりに触れた。

 井上農場の水稲は、作付面積約50ヘクタール。いずれも化学合成農薬と化学肥料の窒素成分を地域の慣行レベルから5割以上削減して生産する「特別栽培米」。糖蜜や海藻エキスなど自然由来の活力剤散布など独自栽培方法で食味向上を図る。全国食味分析鑑定コンクールなどでも上位入賞。地元をはじめ全国各地に販売先を拡大している。

 山形市出身のつや姫大使で、イタリアと日本双方の食材輸入出業を営む喜志枝・プラチディさん(プラチディ・インターナショナル代表)の仲介で、今年3月からは、英、独両国で最大級という日本食輸入会社「ジャパン・フード・エクスプレス」(JFE、本社・英国、北林靖規社長)との取引を開始。つや姫月300キロを輸出、英国の小売店などに卸している。

 今回の視察は、井上農場の稲作を高く評価するJFE社が企画。同社の取引先のモダンジャパニーズレストラン「ZUMA ROKA」英国店のシェフから日本食材にまつわる物語に触れてもらおうと、多様な国籍の若手シェフ6人を招待。プラチディさん、北林社長らが同行した。17日午後に庄内入り後、メーンの目的地の井上農場のほか、18日は羽黒山の斎館も訪問。19日までの本県滞在期間中、天童市の出羽桜酒造、山形市の丸十大屋醤油の視察、県庁表敬訪問などの行程。

 井上農場では、つや姫のおにぎり、同農場産米を使った日本酒、芋煮、漬物などを振る舞って視察団を歓迎。井上代表は稲作のこだわりや農家経営を紹介しながら、「食べてくれる人の幸せを第一にしている」などと思いを語った。

 チリ出身のすし職人、ジョナサン・ジャラさん(33)は「店では秋田県産のあきたこまちを使用。酢飯にしてみないと分からないが、ぜひ井上農場のつや姫も使ってみたい。生産者の情熱を受け止めて仕事をしていきたい」などと話した。

 北林社長によると、「ロンドンなどでは日本産米は現地で栽培される米の倍の値段という現状だが、品質は間違いなく日本産。日本食材は広い層に浸透しており、需要拡大も見込んでいる」という。

ふっくらした炊き上りのために粒ぞろえの確保などこだわりを紹介する井上代表(右から2人目)

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