カンムリワシ事故死 ことしに入り5羽犠牲
衰弱から回復した幼鳥。「キム」と名付けられ、2015年2月に放鳥されたが、ことし11月2日に交通事故死した(環境省沖縄奄美自然環境事務所石垣自然保護官事務所提供)
2日午前7時20分ごろ、石垣市川平の県道207号川平高屋線で、国の特別天然記念物で種の保存法に基づく国内希少野生動植物種に指定されているカンムリワシ1羽が、顔から出血して路上に横たわっているのをドライバーが発見した。すでに死んでいた。環境省沖縄奄美自然環境事務所石垣自然保護官事務所によると、交通事故死。カンムリワシが交通事故の被害に遭うのはことしに入って7件目、うち5羽が犠牲になっている。
事故死した個体の左足に装着されていたリングから、2015年2月に放鳥した「キム」であることが判明した。
この個体は同年1月23日、名蔵湾沿いの県道79号線の道路脇で衰弱して飛べない状態になっているところを救護された。巣立ったばかりの幼鳥とみられたため、餌の確保が難しくなって衰弱した可能性があった。
その後、治療とリハビリで回復したことから、同年2月20日に名蔵ダム管理事務所付近で放鳥されていた。16年の4月28日と9月13日、17年の5月4日と9月6日、いずれも屋良部半島で確認されている。
カンムリワシは、秋から幼鳥の独立期、冬には成鳥の交尾・造巣期を迎えることから、道路沿いでも餌を狙って出現する頻度が高まる。この時期に交通事故が発生する傾向にあることから、今後さらに輪禍が懸念される。
環境省では、運転注意マップの更新やチラシ配布などを通して注意喚起を強化していく考え。早朝や夕暮れなど視認性が悪い時間帯や見通しの悪いカーブ、出現頻度の高い道路区間などで注意するよう呼び掛けている。
傷病あるいは事故死の個体を発見した場合は同事務所(0980-82-4768)。市教育委員会文化財課(0980-83-7269)、西表島では西表野生生物保護センター(0980-85-5581)まで。
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