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闘牛日本一の力道山引退 徳之島 種牡牛として与那国島へ

実質的な日本一を決めた取組で勝った力道山(左)=5月4日、天城町松原闘牛場

 鹿児島県伊仙町で10月に開かれた闘牛の徳之島横綱を決める全島一優勝旗争奪戦徳之島町大会で、全島一の座を明け渡した前チャンピオン「力道山」が引退した。今後は沖縄県与那国島で種牡牛として余生を送る予定。4日の定期船で、約9年半を過ごした徳之島を離れて沖縄県へ向かった。徳之島町の亀徳新港では牛主ら関係者約50人が集い、別れを惜しんだ。

 牛主の上田卓也さん(34)=天城町松原=によると、力道山は沖縄県在住の知人との縁で、2010年に生後10カ月で徳之島に移った。13年夏に4歳でデビューすると、連勝街道を突き進み、18年5月の全島一決定戦で当時王者の「平山美龍」を破って全島一に輝いた。

 その後2度防衛を果たして今年5月、徳之島と沖縄県の「全島一」が対戦して実質的な闘牛の日本一を決める「闘牛サミット記念日本一決定戦」(天城町松原闘牛場)に出場。沖縄王者の「有心邁進龍」との20分を超える熱戦を制して、日本一となった。

 先月20日に伊仙町なくさみ館であった全島一決定戦では、体重が約200キロ上回る挑戦者「天龍大力」と対戦。上田さんが「初の屋外試合となった5月の日本一決定戦で崩した体調が戻らなかった」と語ったように、力道山にいつもの粘りが見られず、チャレンジャーの速攻が決まり、1分52秒で初黒星を喫して王者を陥落した。

 力道山は1050キロ。1トンを超える重量級同士がぶつかり合う階級では比較的小柄ながら、大柄な相手にも根性で長期戦に持ち込み、連勝を続けてきた。10歳を超えても活躍する闘牛も多く、周囲からは次戦に出場させるためのオファーもあったが、上田さんは「これまでの取組で蓄積してきたダメージもある。ゆっくり余生を過ごさせてあげたい」と引退させ、与那国島の知人に託すことを決断した。通算成績は12勝1敗だった。

力道山との別れを惜しみ、記念撮影をする牛主関係者=4日、徳之島町亀津

 4日午前8時半ごろから、上田さんら関係者が亀徳新港に集まり、記念撮影や体をなでたりして最後のひとときを過ごした。力道山が乗ったコンテナが船内へ運び出されると、関係者は手を振り送別した。

 父の影響で中学3年から闘牛の世話を始めた上田さんにとって、力道山は初の全島一を獲得した思い出深い闘牛。「これまで何頭も飼育してきたが、力道山ほど期待に応えてくれた牛はいない」と感謝を述べ、「今後も闘牛は続けていく。第2の力道山を育てたい」と前を見据えた。

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