「酒田舞娘」30周年
往時の賑(にぎ)わいの象徴だった料亭文化を復活させ、酒田の地域振興に役立てようと、地元の経済人が中心になり1990年、「港都振興」を設立しスタートした「酒田舞娘(まいこ)」が30周年の節目を迎え、同市のガーデンパレスみずほで25日夜、節目を祝う「感謝のつどい」が開かれた。集まった約250人を前に、伝統文化を守るため舞娘の保存・育成にこれまで取り組んできた新田嘉一平田牧場グループ会長(舞娘茶屋 相馬樓樓主)は「全員で観光振興に取り組み、酒田、庄内を盛り上げていきたい」と述べた。

誕生30周年の節目を祝う感謝のつどいで舞を披露する酒田舞娘ら
遠隔地貿易の主役だった北前船で栄えた港都・酒田は「東の酒田、西の堺」と称されるほどの賑わいを見せ、最盛期を迎えた昭和時代初期には約200人の芸妓(げいぎ)が妍(けん)を競い合っていたという。往時の料亭文化を復活させ、地域活性化につなげようと、新田会長はじめ地元経済人が舞娘制度を誕生させた。
新田会長によると、歌舞伎の先代中村勘九郎(十八代中村勘三郎)さんが酒田を訪問した25年ほど前、舞娘の舞を鑑賞、「この踊りは父、十七代勘三郎がつくったものです。全国でも残っているのはここしかない。踊りを残してください」と感涙し存続を懇願したという。この懇願を受け新田会長は2000年、港都振興が手掛けていた一連の事業を平田牧場で継承していくことを決意し、以来、舞娘は同社の社員として新田会長が樓主を務める相馬樓を拠点に唄や踊り、三味線などの稽古を積み、酒田の粋を披露。近年は「酒田観光交流マイスター」として国内にとどまらず、中国、ロシアなどでもその華やかな舞いで人々を魅了している。
この日は新田会長が「地域の伝統文化を守り、観光で活性化を図りたいという一心でこれまで舞娘を育成してきた。制度をつくった以上、これからも保存・育成に尽くしたい」とあいさつ。加藤鮎子衆院議員、丸山至酒田市長らが祝辞を述べた。
新田会長、舞娘を長年にわたって指導してきた元芸妓の力弥さんに花束が贈られた後、酒田舞娘4人、今年から日本舞踊の稽古を重ねている市内の中高校生7人が華やかな舞を披露。会場では草創期からこれまでの舞娘の歩みをまとめたDVDも上映され、出席者からは「懐かしい」といった声も上がった。
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