実証運行される電動車（市提供）

　低速で公道を走るグリーンスローモビリティの実証運行が３１日から、宇部市の中心市街地で始まる。市が進める公共交通の利便性の高いコンパクトなまちづくりを進めるためで、１１月１２日までの約２週間、１日につき６便を走らせ、本格運行の可能性を探る。

　グリーンスローモビリティとは、時速２０㌔未満で公道を走る４人乗り以上の電動車のこと。市によると、環境への負荷が少なく、狭い路地での通行が可能で、地域の高齢者の生活や観光客の周遊の手助けとなる移動手段として期待が寄せられるという。 　実証は、国土交通省の調査地域に選定されたことを受けて行う。運行する車両は、シンクトゥギャザー社（群馬県桐生市）製の「ｅＣＯＭ－８」１台で、全長４・２㍍、幅１・９㍍、高さ２・５㍍の１０人乗り。運行ルートは、常盤町１丁目スマイルマーケット（トキスマ）を午前９時から午後３時まで１時間おきに発車し、ＡＮＡクラウンプラザホテル宇部、ＪＲ宇部新川駅、若松町のウェスタまるき小松原通り店、東本町２丁目の田村歯科など１４カ所を経由し、４０分をかけてトキスマに戻る。 　１周の距離は約５・８㌔。大型の路線バスが入れない市道を主に走る。停留所の場所は住民の意見を参考に、スーパーや病院に通いやすくした。運賃は無料で、誰でも乗車できる。定員は運転員と調査員を除いた８人。本格導入の参考にするため、運転免許証の有無や利用の目的、満足度などを問うアンケートへの協力を求める。