認定証交付を受けた中川喜隆代表取締役社長（右）＝24日午前、石垣地方合同庁舎

　厚生労働省沖縄労働局（安達隆文局長）は24日午前、離職率や有給休暇取得実績、若者の育成などが一定の水準を満たしている中小企業として、石垣市内に工場を持つ製造業の㈱ケレス沖縄（中川喜隆代表取締役社長、本店・大宜味村）にユースエール企業の認定通知書を交付した。製造業での認定は県内初。「野菜缶詰・果実缶詰・農産保存食品製造業」の部門としては全国初の認定となる。

　ケレス沖縄はこれまで、従業員の離職率が高いことが経営課題となっていた。その後、２０１７年９月に経営陣が刷新され、18年から社内の働き方改革に取り掛かった。
　改善ポイントとして▽祝日休みを７日に増加▽有給休暇取得を促進▽残業減▽子育て世代の時短勤務推奨ーなどを展開した。

　石垣地方合同庁舎で行われた会見で中川社長は「この制度をつくることで離職率が減り、残業も減った。本土の企業に比べたら普通のことかもしれないが、今後もまい進したい」と話した。

　認定証を交付した沖縄労働局職業安定部の村上優作部長は、「（要件）12項目を満たさないといけないので難しいもの。認定は社内の取り組みが奏功した結果」と話した。

　ユースエール認定は６月末時点で、全国５５６社が認定を受け、このうち製造業は１９４件。県内の全国産業の中で受賞は６番目の認定。同認定は15年10月から実施されている。