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立てないヤギ 車いすで復帰 おびひろ動物園

 おびひろ動物園(柚原和敏園長)の高齢のヤギ「ユズ」(雌、9歳)は昨年秋に左前足の不調で立つことができなくなったが、6月から、飼育展示係のスタッフが改造した車いすを使い、わずかながら歩けるようになった。来園者がじかに触れられる屋外の展示場所にも復帰し、ほかのヤギたちとの交流も生まれた。担当の同係・村津颯さんは「外に出られるようになり、心なしか表情も柔らかくなった」と話している。

改造した車いすで、外に出られるようになったユズ。担当飼育係の村津さんが優しくブラッシングする

 ユズは2011年に清水町で生まれた。もともとおっとりとした性格で座っていることが多かったが、昨年11月、左前足の不調で立てなくなった。原因は分からず、マッサージやストレッチなどを試みたものの、左前足は曲がったままとなった。ヤギの寿命は10~12年とされている。

 座ったままの体勢が続くことや、排せつは皮膚に炎症などを起こす可能性があるため、消防ホースをハンモックのように編んで体を支えた。状況によっては安楽死も考えたが、ユズは食欲旺盛で、後ろ足を動かして立とうとした。回復を願ったが状況は変わらず、ハンモックでは移動が難しく、室内での飼育が続いていたという。

 車いすは飼育展示係の村津さんと石山絵理花さんが考案し、改造した。以前は来園者に貸し出していた車いすの背もたれを無くし、消防ホースを安全ベルト代わりに使用。擦れないように、ベルトにタオルを巻いた。

 村津さんらが押して屋外に出ることができ、来園者と触れ合える場所にも復帰したユズ。なでてもらうことが好きで、スタッフが他のヤギをブラッシングしていると、そばで自分の番を待つ。仲良しの「くるみ」(雌、9歳)とも久しぶりに頭を突き合わせ、1月に生まれた3頭のヤギを含む他の6頭と交流している。

 屋外の砂が少ない場所では、ゆっくりと餌箱へ向かって歩くことも。村津さんは「ヤギが車いすに乗って驚く人もいるが、優しくなでて触れ合いを楽しんで」と話す。

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