伝統の踊り引き継ぐ 子ども教室が10周年
発表会に向けて、羽根千恵子代表(右)に教わりながら稽古に励む小学生=田辺市本宮町で
和歌山県田辺市本宮町の「熊野本宮伝統芸能子ども教室」(羽根千恵子代表)が、今年で発足10周年を迎える。子ども教室では、町外を含め小学生9人が県指定無形民俗文化財となっている町内の二つの踊りを継承。11日には記念の発表会があり、稽古に励んでいる。
本宮町には、住民が集団移転をして無人となった平治川地区の「平治川の長刀踊」や土河屋地区の「お夏清十郎踊り」など県の無形民俗文化財に指定されている五つの踊りがある。それぞれに保存会があるが、高齢化が進む中で未来に引き継いでいきたいと、元小学校校長の羽根代表(70)=本宮町請川=が発起人となり、2008年5月に子ども教室を発足。これまでに13人が卒業した。 子どもたちは基本的に毎週土曜に集まって稽古をしており、平治川の長刀踊とお夏清十郎踊りの二つを習得。本宮の秋の恒例イベント「こだま祭り」などで踊りを披露し、毎年夏に本宮町で開かれている新成人を祝う会にも参加して先輩たちの門出に花を添えている。 記念の発表会「熊野本宮伝統芸能子ども教室10周年の会」は11日午後1時から、本宮町本宮にある本宮福祉総合センター「うらら館」で開催。お夏清十郎踊りと平治川の長刀踊のほか、他県の民俗芸能を披露する予定。 本宮小学校6年の杉垣遥さん(11)は「子ども教室の卒業生もたくさん来るし、自分も今年で卒業なので、悔いなく踊れるように頑張りたい」と話す。同小1年の鎌田れいかさん(7)も「稽古は面白い。発表会でしっかりと踊れるように頑張る」と意気込む。 羽根代表は「伝統芸能を継承することで郷土愛が芽生え、本宮町の活性化につながればうれしいという思いで取り組んでいる。発表会では地域の方々や教室の卒業生に、子どもたちが頑張っている姿を見ていただきたい。卒業生の中から、ゆくゆくは子ども教室の指導者が出てくれたら」と話している。
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