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最後の勇姿に別れ惜しむ 旧政府専用機、米国へ飛び立つ-空自千歳基地

最後のフライトで滑走路を飛び立った旧政府専用機の1号機=27日午後6時半ごろ、航空自衛隊千歳基地

2018年度末で退役した旧政府専用機(B747―400型機)の1号機が27日、今後の駐機先となる米アラスカ州アンカレジへ向けて航空自衛隊千歳基地を後にした。25年にわたり要人を乗せて国内外を運航した「ジャンボ」を見送ろうと、格納庫前には特別航空輸送隊の隊員ら約80人が集合。航空ファンがフェンス越しに見守る中、1号機は最後のテークオフで進空。長年拠点としてきた千歳を飛び立った。

 旧政府専用機は1993年6月に2機体制で運用を開始した。25年10カ月の間、国内外349回の任務運航で269カ所に寄港。飛行距離は約1460万キロで地球365周分に相当する。18年度末で退役するまで、現在の上皇さまや歴代総理大臣だけでなく、北朝鮮による拉致被害者家族の帰国(2004年)、アルジェリア邦人拘束事件(13年)の被害者の帰国にも使われた。

 格納庫前駐機場では輸送隊の隊員らが見守る中、機長の高野彰彦2佐以下約10人のクルーが最終フライトに向けて搭乗。隊員らの敬礼に見送られながら、けん引車でゆっくりと滑走路に導かれた1号機は午後6時半ごろに離陸し、千歳の空に最後の機影を浮かべた。

 基地の外には多くの航空ファンが訪れ、フェンス越しに別れを惜しんで手を振ったり、最後の雄姿を写真に収めようとカメラを向けたりする姿が見られた。

 行き先は千歳市の姉妹都市でもある米アラスカ州アンカレジ市。2号機も今月17日、すでに同市に向けて千歳基地を出発した。

 旧政府専用機については今年5月、静岡県富士宮市のリサイクル会社、エコネコルへの売却契約が締結。アラスカ行きは同社の都合で、再利用・再使用の準備のためとみられる。

 1、2号両機からはすでに歴史的な資料である貴賓室が取り外されており、今後、浜松市の航空自衛隊の広報施設と石川県小松市の県立航空プラザで展示される。

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