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「帆前掛け」新工場オープン

 かつて豊橋が一大産地だった「帆前掛け」の企画・製造・販売をする「エニシング」(東京都)が、豊橋市大岩町沢渡に新工場「前掛けファクトリー」をオープンした。廃業する市内の工場から織機を譲り受け、海外でも人気が高まる帆布製の前掛け製造の技術を受け継いだ。  軽くて丈夫で温かい帆前掛けは、酒屋や米屋などの屋号が入った日本伝統の仕事着。紡績業が盛んだった豊橋市は一大生産地だったが、中国など安価な海外製造へとシフトし、業者は次々と廃業した。  もともと漢字入りのTシャツを手掛けていたエニシングの西村和弘社長(45)が、同市往完町で70年以上続く「芳賀織布工場」の芳賀正人社長と出会い、職人らが抱える後継者不足や高齢化などの問題に直面。伝統技術を守り伝えるべく、5年ほど前から若手社員3人を芳賀さんのもとへ派遣し、技術を身に付けさせてきた。  芳賀織布工場の廃業を機に、工場にあった織機8台を譲り受けたほか、新工場にはトヨタ産業技術記念館(名古屋市)の約100年前の織機も並ぶ。  昔ながらの風合いを生かした帆前掛けは、日本の伝統文化の一つとして、欧州を中心に人気が高まり、英国の大英博物館では売店でグッズとして並ぶ。「体にフィットしやすい、分厚くて柔らかい生地はシャトル式織機ならでは」と若手職人の前川圭子さん(38)。  二川地区は偶然にも、豊橋の製糸業の礎を築いた小淵しち(1847年-1929年)の工場があった場所。今後、工場内の見学も受け付ける予定で、東海道の宿場町・二川宿の新しい観光スポットとしても期待される。  今月21日には、木造平屋建ての工場(建物面積100坪、敷地面積330坪)を披露。西村社長は「明治時代からあるものづくりが未だに受け継がれていることを、子どもたちに五感で感じてもらえる工場になった。職人って格好いいと思ってもらえたらうれしい」と期待している。  問い合わせはエニシング(03・5843・0247)へ。

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