ハッチョウトンボ 生息地踏み荒らされる
網の間から人が侵入した跡が見つかった大谷湿田(6日、古座川町直見で)
日本最小のトンボ、ハッチョウトンボの生息地として知られる和歌山県古座川町直見の大谷湿田に、人が入った跡が見つかった。生息地を保護している町教育委員会は、近年、写真撮影や採取目的で湿田内に侵入する人が絶えないことから、監視カメラの設置を検討している。
定期的に湿田の見回りをしている町文化財保護委員の山本隆寿さん(66)がアマチュアカメラマンから連絡を受け5日、町教委の職員と一緒に現場を確認した。網の隙間から侵入したようで、湿田の草が踏み荒らされていた。昨年は網に穴が開けられる被害があった。山本さんによると早朝、朝露にぬれたハッチョウトンボを撮影に来た人の仕業の可能性が高いという。
町教委は湿田を守ろうと、これまで周囲に網を張ったり、看板を立てたりするなど対策を講じてきた。網や柵が劣化していることから、近く新しくする予定で、この機会に湿田の保全方法も含め対策を検討するとしている。
ハッチョウトンボの大きさは成虫で約2センチ。雄は赤色、雌は黄褐色と黒色のしま模様。ネパール、インドネシアなどの東南アジア諸国から南半球のオーストラリアにかけての広い範囲に分布し、日本は北限分布地になる。生息に適した湿地が少なくなり減少していることから、県は準絶滅危惧種に分類している。
大谷湿田では1992年に大量に発見され、2000年に町は町天然記念物に指定。湿田(約1500平方メートル)を買い取り、自然保護区にしている。
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