新緑の参道を花嫁行列
多くの見物客に見守られる中、女性たちが社殿に向け、参道を静々と歩いた花嫁行列(能代市御指南町の日吉神社で)
能代市御指南町の日吉神社(平賀優子宮司)の伝統行事「嫁見まつり」が25日に行われた。県内外から参加した16人の女性が色打ち掛けを羽織って新緑に包まれた参道を静々と歩き、見物客を魅了した。境内では飲食の出店などもあり、にぎわいを見せた。
嫁見まつりは、同神社の祭事「中の申(さる)祭」の宵祭として伝わり、初嫁が良縁に感謝し、幸せを願って婚礼衣装で参詣する。近年は幸せな結婚を願って参加する女性も見られ、全国的にも珍しい花嫁行列を見ようと、毎年多くの見物客が足を運ぶ。
今年は16人の女性が花嫁行列に参加。能代市からの6人をはじめ、三種町や八峰町、秋田市、潟上市、県外は東京都や神奈川県、宮城県からも申し込みがあり、着付けは県美容生活衛生同業組合能代支部が担当した。
午後3時すぎから色打ち掛けを身にまとった女性たちが長床に集まり、色鮮やかな着物と日本髪の姿で見物客を魅了。午後5時30分からの鳥居から社殿に向かう花嫁行列では、女性たちが夫や介添え人と共に静々と歩き、参道脇から多くの見物客の視線、カメラが向けられた。
能代市向能代の会社員、相澤望さん(36)は、9月ごろの入籍を予定している静岡県裾野市の会社員、首藤大さん(33)と参加。「こんなにたくさんの人に見てもらい、恥ずかしいようなうれしいような貴重な体験」と話し、首藤さんは望さんの晴れ姿に「きれいでかわいい」と笑顔を向けた。
きょうだいで2組一緒に参加したケースもあった。能代市日吉町出身で会社員の越後郁美さん(29)=東京都在住=と、弟で会社員の朝陽さん(27)=仙台市在住=で、来月入籍予定の郁美さんは「小さい頃からまつりを見ていて、参加したかった。きょうだいそろって出られ、記念になった」と笑顔を見せた。
また、今月5日に入籍したばかりの朝陽さんは「最近妻と暮らし始め、幸せな日々を過ごしている。笑顔の絶えない夫婦であり続けたい」と話していた。
境内では、能代山本の業者や地域団体による飲食や物販の出店があり、まつりを盛り上げた。また、初めての取り組みとして、お祝いが振る舞われ、見物客を喜ばせていた。長床前には東日本大震災の復興支援「夢灯りプロジェクト」として灯籠が飾られ、彩りを添えた。
このほか、子どもたちによる「Kids着物行列」、「お猿のかごや」や「お杉音頭」の奉納、裏千家淡交会秋田北青年部の呈茶会などもあり、好天の中での嫁見まつりはにぎわいを見せた。
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