「川の参詣道」に新たな舟
新たに製作した川舟の進水式で、舟にお神酒をかける田岡実千年新宮市長(24日、三重県紀宝町で)
「川の参詣道」として世界遺産に登録されている熊野川を下る川舟が新たに製作され、24日に進水式があった。これまで使ってきた舟が老朽化する中、川舟を運航する新宮市の一般財団法人「熊野川町ふれあい公社」が、インターネットで資金を募るクラウドファンディング(CF)を活用して製作した。来月下旬から利用を始める予定。
川舟下りは、道の駅「瀞峡(どろきょう)街道熊野川」(和歌山県新宮市熊野川町田長)そばの河原から、熊野速玉大社(同市新宮)近くの河原までの約16キロを川舟に乗って下る観光体験事業。世界遺産登録を機に2005年から始まった。
CFは、紀伊半島大水害(2011年)で事務所が流失するなどの被害を受け、更新が必要な川舟の製作費や船外機の購入費を負担する余裕がないとして、昨年12月3日から今年1月31日まで取り組んだ。その結果、目標金額(200万円)を上回る244万2千円が、142人から寄せられたという。
達成後、ふれあい公社が、熊野速玉大社の例大祭を締めくくる神事「御船祭」で使われる早船も手掛ける船大工の谷上嘉一さん(77)=三重県紀宝町=に製作を依頼。熊野産のスギやヒノキなどを使い、約2カ月がかりで、長さ約8・7メートル、幅約1・8メートルの舟(定員14人)が完成した。舟の名称は、これまであった「速玉」を引き継ぐ。
熊野川の河原であった進水式では、公社熊野川川舟センターの森本博也センター長(63)が「皆さまのご支援を無駄にせぬよう、歴史ある川の熊野詣でをこれからも守り、後世に伝えていくために努力を重ねたい」と感謝。田岡実千年市長も「川舟下りは新宮市の観光の大きな目玉。これからもこの新しい舟に多くの方を乗せ、新宮、熊野の良さを体感していただきたい」と述べた。
現在、運航に必要な手続きを進めており、この舟に観光客が乗れるようになるのは6月下旬ごろからの見通しという。
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