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紀伊民報社

採蜜始まる ミカンの蜂蜜として人気

ミツバチが飛び交う中、巣箱から巣板を取り出す作業員(11日、稲成町で)

 和歌山県の田辺・西牟婁や御坊・日高で、養蜂業者によるセイヨウミツバチの採蜜作業が始まった。特産のミカンの花から集めた蜂蜜で、今月下旬まで続く。
 養蜂業は有田地方で盛んだが、田辺・西牟婁や御坊・日高では約20戸が活動しているという。
 みなべ町晩稲の養蜂業、山本承弘さん(71)は11日から始めた。御坊市から田辺市までのミカン畑周辺8カ所に約240個の巣箱を置いており、順番に蜂蜜を採取していく。
 この日、田辺市稲成町で採蜜した。山本さんら作業員7人がハチを落ち着かせるため、巣箱に煙をかけながら素早く巣板を取り出し、すぐに遠心分離器にかけて蜂蜜を容器に流し込んだ。
 山本さんによると、1箱で約5キロの蜂蜜が採れるが、今季は花が少ないことで、蜂蜜も少ないのではないかという。蜂蜜は海外産がほとんどで、国産は貴重。県内産はミカンの産地を生かした蜂蜜で「いい香りはもちろん、適度な酸味があり、口当たりがよい。ミカンの蜂蜜として人気」と話す。
 山本さんらはミカンの後、ハゼの花から集めた蜂蜜も採取。6月に北海道に移り、11月までボダイジュやキハザ、アザミなどの蜜を集める。

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