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長野日報社

伊那市の新山診療所が閉所 地域医療担い63年余

新山診療所に別れを告げる受診者や医療スタッフら

 伊那市が富県新山地区で運営してきた国保新山診療所の閉所式が28日、新山集落センターで開かれた。地元関係者ら約20人が出席。地域医療を担った63年余りを振り返り、感謝と共に別れを告げた。既に通常診療は終えて今月末で廃止。受診していた4人は、交通手段の確保などによりほかの医療機関に通院する。

 新山地区保健相談所が前身で、1954年11月に新山診療所として診療を開始。数回の休止も経て市内の別の診療所の医師が兼任するなど、現状では毎週水曜日の1時間のみ開設していた。

 2010年に12人だった受診者は3分の1に減少。診療を兼任していた長藤診療所(高遠町)の鈴木貴民医師の負担も大きく、来年度末で定年を迎えることから、受診者数、医師確保の両面から廃止することになった。

 式で白鳥孝市長は「一抹の寂しさもあるが、閉所後の今後についてもしっかりとケアしていく」とあいさつ。石原信行新山区長会長は「この地域になくてはならない診療所だった。長きに渡りお世話になりました」と惜しみ、09年から診療にあたった鈴木医師は「今後はITなども活用して過疎地域の医療を克服してほしい」と話した。

 式には4人の受診者も出席し、88歳の女性は「診療所が近くにあることで頼りがいがあり、安心感があった」と振り返った。市は受診者の代替医療機関への通院手段確保として、公共路線バスを医院経由にするルートの一部変更を行い、ダイヤの関係から片道のタクシー代分の交通費を補助する。診療所の後利用については、地元の要望も聞きながら地域の振興に活用する。

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