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荘内日報社

庄内能楽館法人設立40周年 酒田で特別公演

 公益財団法人「庄内能楽館」(酒田市浜松町、池田宏理事長)の法人設立40周年を記念した特別公演(荘内日報社など協賛)が24日、昼に庄内能楽館、夜には希望ホールでそれぞれ行われ、狂言師の野村万作さん(人間国宝)・萬斎さん親子、宝生流20代宗家の宝生和英さんらが出演。いずれの舞台も大勢の能楽ファンが訪れ、記念公演にふさわしい華麗な舞を堪能した。

 同館は1977年、池田理事長の母で能に造詣が深かった故池田康子さんが設置、79年に財団法人化(当時)した。能舞台と展示場、楽焼窯場、庭園で構成しており、このうち能舞台はひのき造りでくぎを使用していない。舞台の下にはかめが入っており、踏み鳴らしたときに音が響くようになっている。桟敷席も含め約150人を収容する。

 竣工(しゅんこう)以来、能楽師・団体を招いての公演、仕舞やはやし、謡の愛好家の活動を支えるなどしてきたが、康子さんの病気などで十数年は活動をほぼ休止。2012年3月20日付で公益財団法人に移行したことを受けて池田理事長が再開を決め以来、夏休み期間中には「親子仕舞教室」を毎年開催しているほか、広く一般を対象にした能楽教室を随時展開。展示場では、能衣装や能人形、絵画作品など康子さんのコレクションを飾っている。

 昼の部は、同館運営協力者らを招待しての公演で約150人が参加。池田理事長のあいさつに引き続き親子教室の講師を務める宝生流能楽師の辰巳大二郎さんらによる「橋弁慶」で幕開け。萬斎さんが狂言小舞「名取川」を披露したほか、和英さんが祝言能「高砂」を舞った。

狂言小舞「名取川」を披露する萬斎さん

 幕あいには、いずれも加藤明子さん(酒田市、チアーズ社長)の司会で、万作さんと能楽研究の第一人者で庄内能楽館初代館長を務めた増田正造さん、和英さんと萬斎さんがそれぞれ鼎談(ていだん)した。

人間国宝の万作さん(右)と増田さんが鼎談

 万作さんは「若者の日本語の発音がルーズになっており、能・狂言の未来を楽観していない。鑑賞しても分からないのでは。狂言の練習などを通し、発音をしっかりと学び、さらに興味を持ってもらえれば未来は明るくなるはず。庄内能楽館がその役目を果たしてほしい」、増田さんは「地域に根差した芸能が多くある、ここ庄内の文化程度は高い。次の世代に引き継ぐための拠点施設になってほしい」とそれぞれ述べた。

 庄内能楽館について萬斎さんは「ライブハウスのよう」と述べた上で「大きくはないが、われわれの緊張感や集中力といった能楽の命を共有できることはとても重要なこと」と。和英さんもまた、「再開以降は毎年、この能舞台で舞っており非常に親しみやすい。第二の故郷のよう」と話した。

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