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長野日報社

能楽師狂言方の映画 蓼科や霧ケ峰でロケ

茅野市蓼科で行われたロケ現場。撮影前の打ち合わせに臨む大蔵基誠さん(右から2人目)やスタッフ

 能楽師狂言方の親子の成長を描いた映画「よあけの焚き火」のロケーション撮影が26日まで茅野市の蓼科高原や諏訪市の霧ケ峰高原で行われた。2月に県内在住者を対象とし、茅野市内で行ったオーディションでヒロインの友人役に選ばれた2人が出演したほか、温泉施設や地域住民有志のボランティアが裏方として撮影を支えた。作品は年内に公開される予定。

 能楽師大蔵流狂言方として活躍し、その魅力を国内外に発信している大蔵基誠さん(39)と長男の康誠君(10)が山中に滞在し、稽古を積む中で自らの生き方と向き合う姿を描いた。ロケ現場では、カメラの配置や音声の確認、出演者との打ち合わせなどで真剣なやりとりが繰り返された。撮影は緊張感に包まれた中で進んでいた。ヒロイン役は都内と茅野市で行われ、116人が参加したオーディションの中から選ばれた鎌田らい樹さん(14)が務めた。長野ロケは20日から行われた。

 諏訪地方への映画撮影の誘致に取り組む諏訪地方観光連盟諏訪圏フィルムコミッション(FC)が撮影協力し、地元ボランティアが夕飯の炊き出しなどで現場を支えた。これまで撮影された映画で裏方やエキストラとして携わった人が今回も協力した。温かな食事は出演者、スタッフに人気で特に信州そばが好評だった。ボランティアの活躍は作品づくり以外での制作費軽減にもつながっているという。

 長野ロケのうち主要キャストの登場シーンは25日までで終了した。大蔵基誠さんは「地元の方にはおいしい料理をつくっていただき、ありがたかった。普段は狂言の魅力、楽しい部分を強く発信しているが、その裏には当然厳しい部分はある。映画を通じ、狂言の楽しさと厳しさの両面を知ってもらえたらうれしい」と話した。康誠君は「撮影は緊張したけど楽しい現場だった。映画を通じ、狂言を世界に広められるといい」と期待を込めた。土井康一監督(40)は「非常にタイトなスケジュールだった。スタッフや地元の方の協力に感謝したい」と語った。

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