力合わせ資源守ろう 全国カツオサミット

カツオの模型で一本釣りを体験する子どもら(25日、すさみ町周参見で)
すさみ町で24、25日に「全国カツオまつりサミットinすさみ」(実行委員会主催、紀伊民報など後援)が開かれた。シンポジウムでは、カツオ漁やかつお節の生産が盛んな全国の関係者が出席。厳しい現状を広く知ってもらい、資源を守っていく必要性を確認した。
シンポジウムは24日、周参見中学校の体育館であった。印南町、宮崎県日南市、高知県土佐清水市、黒潮町、中土佐町、鹿児島県枕崎市、千葉県勝浦市の関係者と、地元の「すさみケンケンかつおブランド委員会」会長の朝本紀夫さんらが登壇。「カツオの一本釣りやケンケン(引き縄)漁を残すために頑張りたい」「残された資源を皆で共有する必要がある」「漁業界以外にも、いかに(現状を)分かってもらうかという努力も大切」などと意見を出し合った。 進行役を務めた全国沿岸漁民連絡協議会事務局長の二平章さんは「これからの動きが重要になってくる。カツオ漁の大切さが広がっていくことを期待したい」と語った。 シンポジウムの最後には、すさみ町周参見の中村千佳子さんが、カツオ資源の再生を目指し、カツオ漁と伝統の食文化を守って漁村の未来をつくろうという「和歌山アピール」を発表した。 実行委員長の岩田勉すさみ町長は「漁獲量の減少や漁業者の高齢化、後継者不足という共通の危機感を持っている各地域の関係者が、カツオ漁やかつお節の発祥地・紀州に集まってくれたことは意義深い。今回のサミットを、一歩を踏み出すきっかけにしたい」と話した。
また25日には、同町周参見の和歌山南漁協すさみ支所でカツオまつりも開催され。カツオの試食や一本釣り、漁船の体験イベントがあったほか、各地の物産が並び、家族連れらでにぎわった。 カツオは500食分の刺し身が用意され、来場者に配られた。開始前から長蛇の列となり、一番人気だった。 一本釣り体験コーナーは高知県土佐清水市が開設。カツオの形をした3キロの模型や6キロと8キロの重りをさおで釣り上げて、一本釣りの醍醐味(だいごみ)を味わった。あまりの重さにさおが大きくしなり、取り込みに苦労する人もおり、観客から声援が送られた。 田辺市南新万の橋度旭さん(29)は3歳の長男と一緒に挑戦。「釣りが好きで、子どもが大きくなったら一緒に行こうと思っている。その前に体験したが、子どもにはさすがに重かった」と話した。 イノブタやマグロ、クジラ、サンマ、カキなどを使ったご当地グルメは、行列ができるほどの人気で、何カ所も回る人もいた。 すさみ町内にリゾートマンションを持ち、年に数回、夫と一緒にやって来るという大阪市の猪子穰子さん(75)は「カツオが好きで、この時季は楽しみ。今日はイワガキも食べたし、芋餅など好きな物をたくさん買った」と笑顔を見せた。 まつりの運営は町と包括支援協定を結ぶ摂南大学(大阪府寝屋川市)の学生らも手伝った。
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