飛島に7月「ゲストハウス」開設
県内唯一の離島である酒田市飛島に移住した若者たちが、島の活性化に向け、島外から訪れる観光客向けの宿泊・交流施設「ゲストハウス」を開設し、今年7月にオープンする計画を進めている。現在、改修費用に充てる資金を募っている。
計画しているのは、飛島に移住した若者らが2013年3月に設立した「合同会社とびしま」。平均年齢30歳ほどのメンバー14人(うち9人が飛島在住)が、飛島の資源を生かした特産品開発や店舗経営、観光振興など、島の雇用創出やコミュニティー維持・活性化のための活動を行っている。
ゲストハウスは、島外の人が宿泊し、島での活動や島民との交流拠点となる施設。建設会社の宿舎だった勝浦集落の木造3階建て延べ床面積約450平方㍍の建物を、合同会社とびしまが土地ごと取得。ここを改修して2、3階に客室、1階にはカフェラウンジや自炊用のシェアキッチン、コワーキングスペース、シャワー室などを設ける。定員は30―40人程度。5月半ばから改修工事に入り、7月初めのオープンを目指す。
利用に当たっては「しまびと会員制度」を設ける。ブロンズ会員は年会費1万円で、最大で月3日(年36日)まで無料で宿泊できる。同様にシルバー会員は年会費2万円(宿泊は月7日、年84日まで)、ゴールド会員は同3万円(同月14日、年168日まで)。食費は別途必要(自炊は無料)。制度名は、島に住む「島民」に対し、島に関わる人を「しまびと」と位置付け、島の仲間になってもらう意味を込めた。
プロジェクトリーダーの松本友哉さん(30)は合同会社とびしま共同代表の一人。山口県出身で、12年4月から1年間、緑のふるさと協力隊として飛島に赴任し、その後、島に移住。昨年には法木集落の家を買い、名実ともに「島民」になった。

松本さん(前列中央)ら合同会社とびしまのメンバー
松本さんは「高齢化が進む中、島の存続に向け、雇用創出などに取り組み、若者が少しずつ増えるなど手応えを感じている。一方で、島の暮らしは国や県、市からの多くの税金投入によって成り立っており、本土とのつながりが不可欠」と島の現状を指摘。その上で「島は『周回遅れ』の分、人同士や自然との豊かなコミュニケーションなど、中央の人が忘れかけたものが色濃く残っている。ゲストハウスが本土と島をつなぐ懸け橋となり、島の未来がより明るいものになるよう、一緒に考えていけたら」と話している。
改修と備品購入などオープンに向けた経費は約550万円を見込み、うち350万円については5月13日(月)までインターネット上で寄付を募るクラウドファンディングのサイト「Readyfor(レディーフォー)」で募集している。寄付1万円でブロンズ、2万円でシルバー、3万円でゴールドの各しまびと会員権などがもらえる。問い合わせは合同会社とびしま=電0234(96)3800、電子メールmail@tobi-shima.com=へ。

7月にゲストハウスとしてオープン予定の建物
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