くじらの博物館 50周年

開館50周年を迎えた太地町立くじらの博物館(2日、太地町で)
和歌山県太地町の町立くじらの博物館が2日、1969年の開館から50周年を迎え、記念式典が同館であった。一般公募していた博物館の公式ロゴマークを発表するとともに、これまで延べ約1355万人が訪れた同館50歳の誕生日を、関係者が祝った。
式典では、林克紀館長が「まだ盛んだった商業捕鯨が将来的に厳しくなることを予測し、クジラの恵みを生かした観光を核とする地域産業をつくり上げる方針を打ち立てた当時の町長によって創設された」と話し、開館5年後の1974年には入館者数がピークの約47万人に上ったことなど館の歴史を紹介。「今後の50年に向け、くじらの町の博物館として町民に愛され、自慢できる博物館づくりにスタッフ一同取り組んでいきたい」と抱負を述べた。
続いて、2018年4月から12月末まで一般公募した公式ロゴマークデザインの選定結果を発表。113点の応募があり「当館をイメージでき、シンプルで分かりやすいデザイン」などとして、大阪市の会社員、西野有香さん(30)の作品を選んだ。
雄大な海とそこから昇る朝日を背景に、悠々と泳ぐクジラをイメージした作品といい、西野さんは「旅行で来たことがあり、すごくクジラやイルカがかわいかったし、太地町の美しい自然が感じられる好きな博物館の一つ。とてもうれしい」と笑顔で話した。式典ではこのほか、大隅清治名誉館長らへの感謝状の贈呈があった。
博物館によると、近年は10万人前後が訪れており、開館から今年3月末までの入館者数は1355万3601人に上った。
同館ではさまざまなクジラの骨格標本や生態、捕鯨の歴史などについての資料を展示しているほか、イルカ・クジラショーを毎日開催。腹びれのあるバンドウイルカや白変種のハナゴンドウなど、貴重な鯨類の飼育で注目も集めた。現在は9種63頭の鯨類を飼育している。
一方で、同町で行われている小型鯨類の追い込み網漁を批判的に描いた映画をきっかけに、同館が訴訟を起こされるなど反捕鯨活動家から批判の目を向けられてきた。
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