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旧林鉄修理工場を保全へ 宝さがしの会 上士幌

半壊した森林鉄道の修理工場跡。三股地区に残されている唯一の遺構だ

 上士幌町の三股地区に残されている旧音更森林鉄道の修理工場跡の保全に向けた活動が動きだす。林業の町として栄えた三股に残された唯一の遺構だが、現在は半壊状態にある。「町地域の宝さがしの会」(江波戸明会長)が建物を活用し、観光を中心とした地域振興につなげたいと考えており、第1弾として、10日に有識者を招いた公開シンポジウムを町内で開催する。

 旧音更森林鉄道は、木材の伐採量が急増したことに伴い、旧国鉄士幌線の終着駅十勝三股を起点に延伸された鉄道路線。線路の総延長は岩間温泉までの約9キロで、1950年から58年まで、切り出した木材を機関車で運搬していた。戦後に敷設された森林鉄道は十勝唯一で、沿線には「御殿」と呼ばれる2階建ての営林署の事務所もあった。

 修理工場は51年に建設。三股に現存する唯一の遺構とされる。修繕維持費が約8000万円と高額なこともあり、建物を所有する環境省が2014年に主催した町民意見交換会では保全を要望する声は少なかった。

 17年2月には大雪で半壊。その後、宝さがしの会のメンバーや三股地区の住民が、文化財保護に関するシンポジウムで廃駅が宿泊施設などに活用されている事例を知り、朽ちつつある修理工場跡の保全を目指すことに。費用負担を考慮し、一部保存を想定している。

 三股地区は、国内最大級の森林集落で最盛期には2000人の住民がいた。広大な樹海は、文化庁が昨年認定した日本遺産「カムイと共に生きる上川アイヌ」の構成文化財にも含まれ、観光振興の追い風になることが期待される。

 事務局長の井上智彦さんは「(修理工場跡は)三股に人が暮らしていたことを知る唯一の生き証人。その価値を見直し、観光資源として活用していく意義は大きい」と話している。

 シンポジウムは「音更森林鉄道修理工場跡の保全と活用を目指して」と題し、10日午後2時から町生涯学習センターで開催する。

 北海道産業考古学会長の山田大隆氏が三股の歴史的な価値をテーマに講演。パネルディスカッションでは、NPO法人ひがし大雪自然ガイドセンターの河田充代表ら4人の有識者が、修理工場跡の活用法などについて議論する。

 問い合わせは宝さがしの会事務局(090・5395・3476)へ。

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